晩酌じわり重く、値上げの秋 第3のビール10月から増税

 食品などの「値上げの秋」が家計を圧迫するなか、10月1日の酒税法改正が、毎日の晩酌を愛する家庭に追い打ちをかける。ビール系飲料の税額が350㍉㍑換算で54・25円に一本化され、これまで家計の防波堤だった「第3のビール」が約7円増税されるためだ。
 さらにサントリーの「金麦」やキリンビールの「本麒麟」など各社の主力品も、ビールへ格上げして中身を刷新する動きが相次いでいる。各社は増税分の価格転嫁にとどめ、可能な限り価格帯を据え置く方針だ。しかし、もともと単価の高かった銘柄は店頭価格が200円台に達する見込みもある。「第3のビール」という選択肢自体が縮小していくことによる家計への影響は大きい。節約志向の受け皿となってきたチューハイ類も同容量換算で35円へと増税され、相次ぐ物価高の中で晩酌代の負担増は避けられない。
 もともと第3のビールは、長引く不況下でメーカーが税率の差を味方に「手頃な晩酌」を届けようと工夫を重ねた企業努力の賜物(たまもの)だった。その恩恵が失われる痛税感は小さくない。本格ビールが約9円減税されることで銘柄間の価格差は縮まるが、それは「安さで選べなくなった」ことの裏返しでもある。
 限られた予算の中で、日々の晩酌をどう守るか。税制に振り回されてきた庶民の食卓は今、生活防衛と「納得の一杯」の狭間でシビアな選択を迫られている。

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