大阪市の御堂筋で大型開発が相次いでいる。淀屋橋のツインタワーや心斎橋の複合施設などが続々と開業。人が集い滞在する「新たなにぎわいの拠点」へと街の役割が変わり始めている。

大型開発が生む新たなにぎわい ツインタワーにクオーツ心斎橋、相次ぎ開業
大阪市が「御堂筋将来ビジョン」で描いてきた街づくりが、沿道の大型開発によって形になり始めている。昨年開業した「淀屋橋ステーションワン」に続き、7月には「淀屋橋ゲートタワー」が開業し、御堂筋を挟んで向かい合うツインタワーが完成した。さらに南では、今春から複合施設「クオーツ心斎橋」が順次開業し、ブランド力向上を目指した街づくりも進む。変わったのは街並みだけではない。御堂筋の役割そのものが変わり始めている。(西山美沙希)

同ビジョンでは「歩いて楽しい、滞在したくなる街」を掲げ、歩行者中心の空間づくりを推進。歩道の拡幅や沿道ビル低層部への商業機能の誘導などを進めてきた。
オフィス街・淀屋橋に新たなにぎわい
その流れを象徴するのが、7月に開業した淀屋橋ゲートタワーだ。地下1階から2階には飲食や物販、サービス店舗を配置し、11階には一般開放する屋上庭園やシェアラウンジを整備。同ビルの就労者だけでなく、周辺で働く人や来街者にも開かれた空間とした。
開業に先立ち開かれた記者向け内覧会で、淀屋橋駅西地区市街地再開発組合理事長の江口康二さんは、「単なるオフィスビルではなく、まちのにぎわいと潤いを生み出す新たな拠点でありたい」と挨拶。淀屋橋の歴史や文化を継承しながら、新たな価値や交流を生み出す拠点づくりへの思いを語った。
心斎橋ではブランド価値向上へ
一方、今春から商業施設やホテルなどが順次開業した複合施設「クオーツ心斎橋」は、御堂筋と長堀通が交わる一等地にハイブランドの路面店やホテル、オフィスを整備。ヒューリック開発事業第一部次長の間瀬彰光さんは「ブランドを集積することで、ブランドエリアの評価を北側へ広げたい」と話し、従来は長堀通より南側に強かったブランドイメージを北へ広げ、エリア全体の価値向上を目指す考えを示した。
御堂筋沿いでは今後も心斎橋OPA跡地や旧東急ハンズ跡地などで再編が進み、街並みの更新が続く。淀屋橋では交流や滞在を生み出す空間づくり、心斎橋ではブランド力の向上と、それぞれ異なる役割を担いながら、御堂筋の新たな価値を創出している。
行政の街づくりと民間開発が重なり合い、御堂筋は人が行き交うだけの空間から、人が集い、滞在する街へと変わりつつある。

