ラジオDJの仕事は、音楽を流すだけではない。限られた時間の中で相手の心に届く言葉を選び、自分の思いを声に乗せて届ける仕事だ。そんな「伝える力」の大切さを学ぶ「ラジオDJ体験レッスン」が7月16日、守口市立守口小学校で開かれ、5年生100人が現役ラジオDJ・UK(楠雄二朗)さんから発声や話し方、表現のコツを学んだ。職業体験にとどまらず、自分の思いや夢を言葉にすることの大切さを体感する授業となった。

UKさんは同校の元保護者でもあり、今年2月に実施した6年生向け授業が好評だったことから、今回は5年生を対象に実施。授業は腹式呼吸や滑舌、遠くまで届く発声方法を学ぶ基礎練習からスタートした。「大きな声でゆっくり話すだけで、相手に伝わる力は大きく変わる」と語りかけ、「恥ずかしいという気持ちを捨てることが表現の第一歩」と児童らを励ました。
実践では、Mrs. GREEN APPLEのヒット曲「ライラック」を教材に、歌が始まるまで約30秒間のイントロを使ったラジオ番組風の曲紹介に挑戦。児童らはペアを組み、「自分の名前」「最近楽しかった出来事」などをリズムに合わせて紹介した。限られた時間の中で話す内容を整理し、明るく聞き取りやすく伝える難しさを感じながらも、マイクを握る楽しさを味わっていた。普段は人前で話すことが苦手な児童も、仲間から拍手を受けながら堂々と話す姿が見られた。

授業後半では、BUMP OF CHICKENの「魔法の料理~君から君へ~」を題材に、家族への感謝や夢を描いた歌詞に耳を傾けた後、「お父さん、お母さんへの感謝」と「将来の夢、そのために頑張ること」を一人一人が文章にまとめ、マイクを通して発表。「プロ野球選手になって恩返ししたい。お父さん、いつも練習に付き合ってくれてありがとう」と力強く語る児童には、大きな拍手が送られた。思いを声にして伝えることで、自分自身の決意もより強く心に刻まれる時間となった。
UKさんは「どれだけ素晴らしいことを考えていても、言葉にしなければ相手には伝わらない。伝えることは夢をかなえるための大きな一歩」と児童らに呼びかけた。ラジオDJとして数多くのリスナーへ言葉を届けてきた経験を踏まえ、「声には人の心を動かす力がある」とメッセージを送った。
森田大輔校長は「本物のプロと触れ合うことで、子どもたちの主体性や自己肯定感を育みたい」と授業の狙いを説明。同校ではICT教育だけでなく、人とのつながりや地域との交流を重視した体験型学習を積極的に取り入れている。「普段は発表が苦手な子どもが堂々と話す姿に感動した。この成功体験が自信につながればうれしい」と期待を寄せた。
