幽霊が出ないのに、怖い 「恐怖心展」グランフロント大阪で開催中

 怖いものは好き。けれど、お化け屋敷に入れば、たぶん開始3分で帰りたくなる。そんな〝怖いもの見たさ〟の記者と〝怖いものを見ても動じない〟西山美沙希記者を連れてグランフロント大阪(大阪市北区)で開催中の「先端」「閉所」「視線」などの「恐怖心」をテーマにした「恐怖心展」へ行ってきた。

「恐怖心展」の告知ポスター

 気鋭のホラー作家・梨、ホラーエンターテインメントの会社「闇」、「イシナガキクエを探しています」などで知られるテレビ東京の大森時生プロデューサーによる展覧会。「存在」「社会」「空間」「概念」の4つの恐怖を軸に構成され、来場者に「恐怖心とは何か」を問いかける内容となっている。

顔が見えないのはどうしてこんなに怖いのか=編集部撮影

 会場に入ってまず感じたのは、地下空間の薄暗さと静かな圧力。金属をこする音が流れるヘッドフォンや鋭利な刃物、廃棄に対する恐怖心を表現した「ごみの山」、床に落ちている大量の髪の毛など。特に汚れた着ぐるみが乱雑に置かれているのが不気味だった。幼い頃、自分より背の高い着ぐるみが近づいてきて怖かった記憶を思い出したからだ。

ヘッドホンを使って「音」に対する恐怖心を体験できる=編集部撮影
ショーケースに並ぶのは、はさみや針、刃物など先のとがった物ばかり=編集部撮影
山のように積み上げられたごみ袋や衣類が、来場者に強烈な圧迫感を与える展示=編集部撮影
薄暗い会場の片隅に横たわる、汚れたピンク色の着ぐるみ。かつての愛らしさはどこへ行ったのやら=編集部撮影

 「怖っ」「えっ、無理!」をいちいち連呼していた私とは対照的に、何があっても動じない西山記者は実に冷静だった。「怖いものが少ない私にとって、『こんなことを怖いと感じる人がいるのか』という発見があった。他人の行動を少し違った目で見られるようになった」とさすがのコメント。怖がるどころか最後は人間理解まで深めていた。

 「闇」のプロデューサーの髙田将志さんは「世界には500ほどの恐怖症があり、その中から日本人が共感しやすいものを選んだ」と話す。

「闇」のプロデューサーの髙田将志さん=編集部撮影

 何かが脅かしてくる演出はないが、説明文や映像を見ることで恐怖があぶり出される。強く反応する人もいれば、「どこが怖いの?」と首をかしげる人もいる。その感じ方の違いも、この展示の面白さだ。

 大阪会場は圧倒的に会話量が多いそう。「恐怖という感情は、〝喜怒哀楽〟に属さない独立したもの。自分の恐怖を誰かに話すとき、人はどこか楽しそうで、生き生きとしている」と髙田さんは話した。

(竹居真樹)

恐怖心展
【会場】グランフロント大阪 北館地下1階イベントラボ
大阪市北区大深町3ー1
【会期】5月10日まで
午前11時〜午後7時30分(最終入場同7時)
【料金】2300円(小学生以上)

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