工学系人材の育成を目指し、摂南大学(寝屋川市)は7月8日、大阪府教育委員会との包括連携協定に基づき、工学系大学進学専科を設置する大阪府立工科高校5校と高大連携に関する覚書を締結した。
高校生が大学の教育や研究に触れる機会を増やし、工学への関心や進学意欲を高めるほか、出前授業や大学見学会などを通じて交流を深める。

締結式は大阪府公館(大阪市中央区)で開かれ、摂南大学の久保康之学長と、淀川工科、今宮工科、茨木工科、東大阪みらい工科、堺工科の各高校長らが出席した。
今回の覚書は、昨年10月に大阪府教育委員会と摂南大学が締結した包括連携協定に基づくもの。吉田晶子高校改革課長は「包括連携協定を具体化する最初の取り組み」と位置付け、少子化やAI(人工知能)、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展による産業構造の変化を見据え、「産業イノベーションを担う人材の育成が急務」と期待を寄せた。
久保学長は「工学部から始まった本学は、ものづくりを大切にしてきた大学。研究設備や教育支援を通じて高校との交流をさらに深め、生徒が学問の広がりを実感できる機会を増やしたい」とあいさつ。今後は出前授業や大学見学会、研究施設の見学などを充実させ、「〝この教授に学びたい〟〝この研究に携わりたい〟と思ってもらえるような交流を深めたい」と意欲を示した。
工学系大学進学専科は、大阪府が2014年に設置した制度。工業高校生の大学進学を支援し、高校2、3年生の段階から大学の授業や研究に触れる機会を設けることで、工学分野への興味を育み、進学につなげることを目的としている。
堺工科高校の東秀行校長(公益社団法人全国工業高等学校長協会理事長)は「技術者を育てるには15歳から大学までの7年間を見据えた継続的な教育が重要」と制度創設の背景を説明。「2040年には深刻な人材不足が予測される。ものづくりが好きな子どもを小中学校段階から育て、専門高校の価値を見直してもらうことが日本の将来につながる」と話した。
工学系大学進学専科設置校はこれまでにも大阪工業大学や大阪電気通信大学と連携してきた。今回の締結を機に、高校と大学が7年間を見据えた人材育成を一層進め、将来のものづくりを支える技術者の育成を目指す。
