子ども・子育て支援金スタート 少子化対策、本格始動へ

 少子化対策の財源となる「子ども・子育て支援金」の天引きが今年4月から始まった。医療保険料に上乗せして幅広い世代から徴収する。物価高での負担増に戸惑いの声も上がる中、新制度の意義と課題を探った。(竹居真樹)

イメージ(写真AC)

子育て支援金、天引き開始 全世代負担、使途の透明化を

 少子化対策は日本社会にとって待ったなしの課題となっている。2024年に生まれた子どもの数は初めて70万人を割り込み、将来の働き手不足や社会保障制度の維持に対する不安は一段と強まった。こうした中、政府が進める「異次元の少子化対策」の財源として今年4月から始まったのが「子ども・子育て支援金制度」だ。

 支援金は健康保険料とあわせて徴収される仕組みで、会社員や公務員、自営業者、高齢者まで幅広い世代が負担する。国の試算では平均的な会社員で月額約500円、75歳以上の後期高齢者で約200円の負担となる。
 集められた財源は児童手当の拡充や妊婦への支援、育児休業給付の充実などに活用される。国は「子育ては親だけでなく社会全体で支えるもの」と位置付けており、将来の社会保障制度を維持するための投資との考え方を示している。
 一方で制度への戸惑いもある。大阪市北区在住の会社員男性(46)は「子育て支援が必要なのは分かるが、物価高で生活費も上がっている中、給与からさらに引かれるのは正直きつい。何に使われるのか、効果があるのかをきちんと見える形にしてほしい」と話す。
 大阪市福島区在住の会社員男性(33)も「子育て支援そのものに反対ではないが、子どものいない独身者にとっては直接の恩恵が見えにくい。給与から引かれる以上、実質的には独身者への増税ではないかと感じる」と疑問を口にする。 
 ただ、少子化の影響は子育て世帯だけの問題ではない。将来の労働力不足や社会保障制度の縮小は、現役世代だけでなく高齢者にも大きな影響を及ぼす。誰かの子どもが将来の社会を支える担い手になる以上、社会全体で支えるという考え方にも一定の合理性がある。
 問われているのは負担そのものよりも、そのお金が本当に少子化対策につながるのかという点だろう。国民の理解を得るためには、集めた支援金がどのように使われ、どれだけの効果を生んだのかを分かりやすく示すことが欠かせない。少子化という国難に向き合う以上、政府には丁寧な説明と成果の検証が求められている。

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