製薬大手の塩野義製薬(大阪市)は28日、国際的な課題解決に取り組む世界経済フォーラムに4月1日付で参画したと発表した。併せて、薬が効きにくくなる問題である薬剤耐性(AMR)対策の国際的枠組み「ダボス・コンパクト」に署名した。
世界経済フォーラムは1971年にスイスで設立された非営利団体で、政治や経済、企業など各分野のリーダーが集い、世界的課題の解決に向けた議論や連携を進める場として知られる。年次総会は〝ダボス会議〟とも呼ばれる。
同社は参画により、同フォーラムの医療分野の協働組織「ヘルス・アンド・ヘルスケア・センター」に参加。各国の政府や企業と対話を重ね、AMRをはじめとする医療課題に関する考え方を発信するとともに、世界の政策動向や技術の潮流を自社の事業に反映させる。
AMRは、抗菌薬の使い過ぎや不適切な使用などにより、細菌に薬が効きにくくなる現象。〝サイレントパンデミック〟とも呼ばれ、世界的な公衆衛生の脅威とされる。2021年には世界で約114万人が関連して死亡したと推計され、対策が進まなければ今後も被害拡大が懸念されている。
今回署名した「AMRに関するダボス・コンパクト」は、2024年の国連総会で採択された政治宣言を踏まえ策定されたもので、2050年までにAMRによる死亡を大幅に減らし、1億人以上の命を救うことを目標とする。
同社は「感染症の脅威からの解放」を重要課題に掲げており、研究開発から供給、適正使用まで一貫した取り組みを進めている。今回の参画と署名を通じ、国内外の関係機関と連携しながら、持続可能で実効性のある対策に貢献する方針だ。
