【地域密着の法律相談】相続の悩みに伴走
高齢化が進み、自らの最期に備える〝終活〟への関心が高まっている。遺言書の作成や任意後見契約(判断能力が低下した際の支援者を決めておく制度)、死後の手続きを委ねる死後事務契約を一体で支援する司法書士法人「オフィス・ナカイ」には、多様な事情を抱えた相談が寄せられている。
例えば、子どもが2人いる女性のケース。長男から家庭内暴力(DV)を受けているため、財産は全て次男に相続させたいという内容だ。さらに、自身が亡くなったことも長男には知らせなくてよいとしてほしいとの希望もあった。こうした意思表示も、法的に有効な遺言書を作成しておけば実現は可能だという。
また、子どものいない夫婦からの相談もある。法定相続では配偶者のほか、故人の兄弟姉妹が相続人となるが、「これまで2人で築いた財産なので全て妻に残したい」との思いから、遺言書を作成。遺言があれば、特定の人に財産を渡すことができる。
寄付の相談も少なくない。医療支援団体の国境なき医師団など、特定の団体へ遺贈(遺言による寄付)したいという希望もあり、遺言書に明記することで実現できる。
死後の手続きも重要だ。納骨する寺院の指定や永代供養(寺院などが長期間にわたり供養を続けること)の方法、関係者への死亡通知など、死後事務全般を契約で委ねることができる。ただし、死亡届の提出は原則として親族や後見人などに限られており、法律上の手続きとの整理が必要となる。
同オフィスでは、任意後見契約、遺言書作成、死後事務契約の〝3点セット〟を提案。子どもや親族に手続きの負担を掛けたくないと考える人からの依頼が多いという。
寺院事情にも精通している。大阪市天王寺区の四天王寺では遺骨のほか位牌や仏壇も納めることができる一方、一心寺は納骨のみ受け付けるなど、寺ごとの違いも丁寧に説明している。
同オフィスは今年4月、大阪市北区の南森町、大阪天満宮の北側に事務所を移転する予定だ。地域の法律相談所として気軽に立ち寄れる存在を目指し、一人一人の事情に寄り添った支援を続けていく考えだ。
同事務所は、大阪市北区の北区民センターで無料法律相談会を開く。実施日は、3月10日と4月17日の2回。各日午後1時半から4時半まで。3月10日は同センターの2階第5会議室、4月17日は同第6会議室を使用する。相談は予約制。
■司法書士法人 オフィス・ナカイ/大阪市北区天満4丁目5番3号 日本プロパティビル1階/電話06(6358)4533
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