日経平均6万3339円 最高値の理由

【記者の投資勉強会】

 東京株式市場で日経平均株価が終値6万3339円を付け、終値ベースで過去最高値を更新した。相場を押し上げた主役は、ソフトバンクグループをはじめとするハイテク値がさ株だ。人工知能(AI)や半導体関連銘柄が買われ、指数を押し上げた。

 背景には、米国市場の流れがある。22日時点では、イランと米国が和平合意に近づくとの見方から原油価格が下落し、前日の米国株が上昇。その流れを東京市場も引き継いだ。生成AIの普及を見込んだ半導体需要への期待は強く、日本市場でも関連銘柄に買いが集まった。

 最高値更新は短期的な材料だけではない。日本企業の業績が好調だったことも大きい。 ソフトバンクグループの最終利益は前期比約4・3倍の約5兆となり、過去最高を更新した。キオクシアホールディングスも、純利益が前期比約2倍の5544億円となった。AI需要の拡大を背景にメモリー価格が上昇し、業績を押し上げた。
 金融大手の好決算も目立った。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3メガバンクはいずれも最高益となった。日銀の利上げを受けて貸出金利が上昇し、利息収入が伸びた。
 市場の支えになっているのは、指数を動かす一部の大型株だけではない。2026年3月期(2025年度通期)決算企業では、全産業合計で売上高、経常利益とも前年を上回った。2027年3月期に当たる2026年度の会社予想も、社数ベースでは経常増益を見込む企業が過半を占め、企業収益の底堅さが相場の安心感につながっている。 

 さらに、株主還元の強化も追い風だ。次期配当予想で増配を示す企業が増えている。東京証券取引所が企業に資本効率の改善を促していることや、新NISAの普及で個人マネーが市場に入りやすくなったことも、株価上昇を後押ししている。 

 一方で、注意点もある。政府の2026年度経済見通しでは、日本の名目GDP成長率は3・4%程度とされ、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは2・7%程度で、成長率が金利を上回っている。名目成長率が名目長期金利を上回る「G(名目成長率)>R(名目長期金利)」の状態は、財政の持続性を判断する上で一定の目安になる(=ドーマー条件)。ただ、最近は長期金利や超長期金利の上昇ペースが速い。GとRの差は縮小傾向にあり、金利上昇には注意が必要だ。

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