与党圧勝後の株価動向 歴代(小泉・安倍)相場に見るヒント

 衆院選で自民党が歴史的圧勝を果たした。単独で衆院全体の3分の2(310議席)を上回る316議席を獲得。事前予想を超える結果となった。市場では選挙を巡る〝期待で買って事実で利確〟というアノマリー(経験則)が知られるが、今回は様相が異なる。

 9日の金融市場では円安、債券安、株高が同時進行した〝高市トレード〟が再燃。日経平均株価は9日終値5万6363円、10日終値5万7650円と過去最高値で続伸した。第2次高市政権下で、株価の行方を検証した。

 過去の〝自民党大勝時〟にフォーカスすると、株価は1年以上にわたり上昇する傾向がある。海外投資家は安定政権を好み、継続的に買い増すケースがあった。
 象徴的なのが、小泉純一郎元首相による2005年の〝郵政解散〟だ。8月8日の解散時、日経平均は1万1778円03銭。約1年の間に最高値1万8300円を付け、約53%上昇した。
 また、安倍晋三元首相の2012年〝アベノミクス相場〟では、11月14日の解散表明当日の終値が8664円70銭。その後、最高値2万4448円まで上昇し、上昇率は一時約158%に達した。

日経平均株価、(左)小泉相場、(右)安倍相場

 海外勢の日本株売買動向をみると、小泉、安倍両相場では累計で約19~21兆円を買い越したとされる。一方、高市政権下は1月時点でみると約4兆円規模、まだ資金流入の余地は大きいとの声もある。
 目先の上値メドとして、市場関係者やメディアの間では6万円台を視野に入れる向きもある。テクニカル分析(値動きの過去パターンを基に将来を探る手法)では、フィボナッチ・リトレースメントで5万8700円前後が意識される水準とされる。黄金比161・8%を基準とする分析手法で、相場の節目になりやすいといわれる。

 一方で、政権の経済運営と金利動向には注意が必要だ。高市政権は〝責任ある積極財政〟を掲げる。海外投資家が評価するのは単なる積極財政ではなく、長期安定政権の持続性だ。財源が特別公債(赤字国債)に依存すれば、国債価格は下落し金利は上昇する。景気拡大を伴わない金利上昇は〝悪い金利〟と呼ばれ、円安や輸入物価高を招く恐れがある。

 日銀は現在も〝実質金利〟は極めて低い水準にあるとの認識を示す。実質金利は名目の政策金利から物価上昇率を差し引いたもの。仮に政策金利0・75%から物価上昇率3%弱(コアコアCPI)を差し引けば、マイナス2%程度となる計算だ。実質金利がマイナス圏にあることが、円安傾向の一因ともされる。

 市場では4~6月ごろに0・25%程度の追加利上げが1回行われるとの見方が出ている。株高基調が続くかどうかは、海外マネーの動向に加え、財政運営の中身と金利の行方が左右しそうだ。

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