上方落語家・笑福亭喬若(50)が、来年2月に3代目笑福亭三喬襲名することになった。

師匠の7代目笑福亭松喬(64)の前名を襲名することになり、喬若は「(2017年に)師匠が松喬の名を継がれる時〝三喬を継ぐか?〟と言われ〝はい!〟と即答した。最初は〝同時襲名かな?〟と思ったんですが、コロナ禍があり今日まで延び延びになりました」と喜びを表現。師匠は「いずれは松喬も継いでほしい。僕は三喬を30年名乗りました。喬若が30年間、三喬を名乗ってくれたら僕が7代目松喬、彼が8代目松喬を名乗って同時に活動できる。歌舞伎の世界みたいで最高」と早くも次の名跡襲名まで披露した。

喬若は1998年、大阪産大の先輩に当たる2代目三喬(現松喬)の一番弟子として入門。若い頃は顔が似ていることから〝落語界の松坂大輔〟を自称しテレビのバラエティーなどにも出演。しかし何ごとにもじっくり取り組む性格から派手な活動を嫌い、正統派を目指し地道に古典落語を修業。2008年なにわ芸術祭新人賞を受賞した。襲名興行は大阪・国立文楽劇場で来年2月1日に披露公演をスタート。師匠の松喬はじめ、同じ笑福亭から鶴瓶、上方落語協会会長の仁智、協会最古参の桂福団治、米朝一門の桂南光と上方落語界の重鎮が出演する。続く3月1日の東京公演(深川江戸資料館)では笑福亭として東京で活動する鶴光はじめ、同じ読みのよしみで柳家さん喬らが出演する。

自身でフリートークが不得手といい「マクラ、つかみが苦手」と苦笑い。中学2年生の息子が通う学校ではPTA会長を務めており、語り口調がついつい会長風に堅苦しくなってしまうと反省。師匠は盗人話が得意で親しみを込めて〝泥棒三喬〟と呼ばれたが、喬若は「親子の噺が好き。将来は師匠のような『らくだ』を完璧にやりたい。師匠のように落語がパーフェクトにできる噺家になります」と目標を掲げ、襲名公演では得意ネタで親子噺の代表作でもある「初天神」を披露する事を約束した。

(畑山 博史)