米国株市場は、「1月の株価が強いとその年の株価は強い」という〝1月のアノマリー〟が存在する。アノマリーというのは、理由ははっきりしないが、季節や月などこれまでの経験的に観測できるマーケットの規則性をいう。
具体的には、以下の通りだ。①「年初の5日間がプラスで終えるとその年もプラスになる」、②「1月のパフォーマンスがその年の相場を表す」という。①は昨年末最終日(12月31日)の終値と、今年1月最初の5営業日(1月8日)を比較する。米代表指数S&P500で見ると0・39%上昇していた。1月末にわかる②(1月の月足)にも注目しておきたい。
では、上記アノマリーがどのくらい信ぴょう性があるのか。過去75年分のデータによると、「年初5日間」がプラスで、年間がプラスだった年は40回(53%)、「1月がプラス」で年間がプラスだった年は40回(53%)という結果で、まずまずといったところ。一方で、日経平均株価の「1月効果」は特に相関関係がなかった。
改めて株式投資とは?
新年になり、新たに投資を始めてみようという人もいるかもしれない。日本証券業協会によると、2014年の一般ニーサ口座開設者は18・9%、18~23年につみたてニーサ口座は33・3%だったのに対し、昨年1月から始まった新ニーサの口座開設は59・3%、今後の申し込み予定者を入れると76・9%と、一気に関心が集まっているのがわかる。
「投資はギャンブルか否か」という話もよく聞く。「リスク」というと、投資をしていないほとんどの人が「危ない」や「損失」をイメージするかもしれない。しかし、金融市場では、リスクが高いとは振れ幅(ボラリティ)の大きさを示す。つまり「不確実性が大きい」ことをいう。加えて、リスクは回避するものではなく、管理・コントロールするものとして認識されている。
改めて、「ギャンブル」を定義すると、期待値が低く、偶然性が高いこととある。これに当てはまる代表例に宝くじがある。一般的に宝くじの期待値は約50%で300円を買えば高い確率で150円が当たる仕組みだ。
株式投資も短期取引のような投機であればゼロサムゲームといわれているが、株式投資は、企業活動の積み上げの結果であり、経済発展の歴史だ。企業は収益を上げるために、日々成長を求める。ゆえに企業の集合体である株式市場、代表指数も拡大する。長期的にはゼロサムゲームの要素が低下し、市場参加者らに〝成長の果実〟が配分される。