アニメとコラボしたシューズで右肩上がり 概念を靴に宿す「MAYLA」

 独特の世界観が反映されているデザインが特長で、根強いファンが多いシューズブランド「MAYLA」。同ブランドを運営する「Dolls」は福島区の堂島川沿いに本社を構えており、競争が激しいアパレル業界の中でも毎年増益しているという。この理由は商品のオリジナリティーにある。
 同社の「ときめきプロデューサー」、RIRICAさんに話を聞いた。

Dollsのときめきプロデューサー RIRICAさん

 「MAYLA」の特徴は、モノを概念化してシューズのデザインにしているところだ。題材となるモノを「まね」するようなデザインではなく、そのモノの要素を分解し、あらゆるパーツに「らしさ」を散りばめたようにデザインされている。このデザイン手法が、世界観やキャラクターを重視するアニメやゲームといったコンテンツとマッチすると考え、作品とのコラボ商品(同社では「プロデュース商品」と呼称)の展開を始めた。すると、「今までにないグッズ」として人気を集めた。

 RIRICAさんは「例えばキャラが履いていた靴をそのまま『実写化』したようなものがグッズには多いです。一方、『MAYLA』のアイテムはそのキャラ『らしさ』が感じられて良い、と言っていただきます」と話す。「好きなアニメ・ゲームをきっかけにMAYLAのシューズを知った」という人の割合が増えている。最近は海外でのアニメブームとも重なって、グローバル展開も視野に入れている。

 ちなみに、デザインの作り方は基本デザイナーの思いつきで「アイデアが降ってくる」そう。ただ、概念をつかむためにそのコンテンツを深堀りすることは必須だという。「社内にはあらゆる『オタク』も多いので、みんなで商品化するコンテンツについて教え合ったりもしますよ」とRIRICAさん。また、既定の靴の概念にとらわれず、「ファッションとアートとカルチャーを組み合わせる」という点も意識しているとのこと。

デザイン画と実際の商品の宣材写真の比較

 オンライン販売のみのため、実際に商品を手に取ってもらう機会は今までなかったが、12月に初めて「飾る靴」というテーマの展示会を「なんばマルイ」(大阪市中央区難波3)で実施した。

展示会の様子
今まで制作したシューズが美術品のように並べられている

 まずは、「同社の商品を多くの人に目にしてもらいたい」という思いから、その場で販売はせず、アートの展覧会のような形で今までの作品を並べた。
 展覧会を経て、RIRICAさんは「予想以上の人にお越しいただきありがたいです。MAYLAを全然知らなかった人にも『何この靴!?』と驚いていただくこともありました。次は原宿のようなファッションの聖地などでも展開し、当社ブランドを広めたいです」と期待を込めて話した。

■取材協力 Dolls(ドールズ)/大阪市福島区福島1丁目1番12号堂島リバーフォーラム202