【大阪・新歌舞伎座】梅沢富美男と研ナオコが「笑いあり涙あり」の大衆演劇

 自身の劇団を率いる大衆演劇座長、梅沢富美男(74)とテレビバラエティーで一世を風靡した歌手、研ナオコ(71)が組んだ特別公演が大阪・上本町の新歌舞伎座で始まった。

共に芸者にふんした梅沢㊨と研

 2人が組んで「笑いあり涙あり」のショーは、今年初めから大衆演劇若手で歌える元「なにわのチビ玉」竜小太郎(50)と出身地の大阪・岸和田市で観光大使を務める門戸竜二(55)を加えて全国各地を回っており、10月には東京・明治座公演を行い、来春まで続く予定。新歌舞伎座公演では、一昨年の日本レコード大賞最優秀新人賞歌手で京都出身の田中あいみ(24)が新たに加わった。

お芝居は江戸柳橋の花柳界が舞台。左端は梅沢、右端は研

 梅沢富美男劇団の公演は、まず笑って泣ける人情芝居、続いて研と梅沢をはじめゲストも歌う歌謡オンステージ、そして締めは劇団員総出の舞踊ショーがお約束。新歌舞伎座でもこの形を踏襲し、お芝居は江戸・柳橋の花柳界を舞台に芸者のプライドのぶつかり合いで笑わせ女心の切なさでホロリとさせる。歌謡ショーでは梅沢「夢芝居」、研「かもめはかもめ」などの定番ヒット曲はもちろん、田中の最新曲「TATSUYA」なども織り交ぜ展開。締めくくりは梅沢劇団得意の舞踊ショーで、梅沢も途中で衣装を替えヒット曲に乗ってあでやかに踊り、場内からはファンの差し入れが続き盛んな拍手。

トークを繰り広げる梅沢㊧と研

 梅沢と研のトークコーナーは、コンプライアンスにうるさい現代のハードルを軽々と超え面白く聴かせ、笑わせ脱線気味。2人のコンビ公演は1年半近い長丁場をマラソンのように走り抜ける企画だけに今回の新歌舞伎座はいわば折り返し点。気心の知れた間柄が客席まで伝わった。

 また今公演から合流の田中は今回が初の劇場での芝居出演。緊張感を感じさせない京都弁でのせりふ回しで関西の観客にさわやかな親近感を醸し出した。

 8月30日まで。

(畑山博史)