東京出身の演歌歌手、新川めぐみ(39)が大阪・阪急梅田ターミナルの一角にある地元で古くから伝わる北向地蔵尊を訪れた。人々が行き交う阪急三番街入り口近くにひっそりたたずむ地元の氏神様に「こんなところに意外ですね!」と驚きながら、さっそく5月に出たばかりの新曲「哀しい口紅」のヒット祈願に手を合わせた。
新川は生粋の江戸っ子。コロナ禍をへて3年ぶりの新曲とあって、久々の関西キャンペーン。「お客さまの顔を見て歌い、拍手を頂く。そして握手を交わし、笑顔になってもらえる幸せ」を感じながら数日掛け各地を掛け回った。
カップリング「銀座舟歌」との2曲は、夜の社交場で働く女性の色香がジワッと漂う。一昔前なら〝クラブ歌手〟と呼ばれる雰囲気を持ったたたずまい。笑いながら「〝銀座に来ない? あなたなら売れっ子になるよ〟って言っていただいたことも。でもお酒が過ぎると歌声によくないし、本業で稼いでこそのプロ歌手ですから」と打ち明けた。
趣味がスポーツクラブでのエクササイズとあって服の上からでも引き締まったスタイルの良さが際立つ。トレードマークの赤いルージュに少しだけ上向きの小鼻がアクセントになってアラフォーらしい色香と落ち付いた話しぶりを夜の世界のプロは見逃さなかったのだろう。
今年でプロデビュー18年目。本名の新屋真実で5歳の時から地元・北区かいわいのカラオケ大会では有名だった。テレビ番組企画の女子高生大会でも勝ち、満を持して22歳の時に『ちわきまみ』の芸名でプロデビュー。なかなかヒットに恵まれず27歳の時に『秋吉真実』と改名してレコード会社も現在の日本クラウンに移籍。35歳で担当プロデューサーから「新たな川の流れに乗って、多くのファンに恵まれるように」と現在の芸名を贈られた。
「新曲の〝♪化粧ばかりが 上手くなる ばかね私〟という歌詞が好き。私から提案して入れて頂きました。大好きな楽曲に仕上がったので、私の代表曲にしたい。もうじき20周年ですけど、今のままではおこがましい。もっと頑張らないと」と自らに言い聞かせる。
今も地元の東京都北区に家族で住み、個人事務所は親兄弟が支えてくれるからこそ続けられた歌手稼業。座右の銘「負けない!逃げない!あきらめない!」はダテじゃない。
(畑山博史)