住之江公園にあるGORILLA HALL OSAKA(ゴリラホール大阪)で、大学対抗女子大生アイドルコピーダンス日本一決定戦「UNIDOL 2023-24 Winter 関西予選」が12月19日に開催された。
「UNIDOL(ユニドル)」とは、女子大学生がアイドル楽曲のダンスをコピーしステージ上で表現する大会。それぞれ7分半の持ち時間が与えられ、ダンスの技術でなく、表現力や個性、オリジナルの映像や衣装の演出、そして「推せるか」を審査する。
出場者はアイドル活動をしているわけでなく、あくまで普段は一般の女子大学生。その独特なコンセプトによりじわじわと人気を広げている。今回は、追手門学院大や関西大、大阪経済大、大阪公立大、関西学院大など計17組のチームが予選に参加した。
開場30分以上前の時点ですでに会場前には観客が並び、開演直前にはホールいっぱいに老若男女が集った。
まずオープニングアクトとして、関西を拠点にするアイドル「すーぱーぷーばぁー!!」が会場を盛り上げた。
そこからオープニングが続き、各チームの演技時間に。特に大阪にある大学の出場チームに注目した。
追手門学院大学「純白のアスター」。大人数によるフォーメーションを活用したダンスが圧巻だった。
一方、関西大学「Kitty eye」は3人という少人数。フードを被ってクールに登場。グループの構成やそれに合わせた選曲やフォーメーションの組み方が変わるのも同大会の魅力の一つだ。
大阪経済大学「KDiARY」。衣装がスタイリッシュで、それぞれの個性が光っていた。
大阪公立大学「にゃん恋」。〝自分達らしさ〟を大切に、キュートなダンスで観客を魅了した。
会場では時折、「サイリウムは白でお願いします!」と演技前に声がかかったり、名前やチーム名の声掛けがあったりと、会場が一体となって出場者に声援を送っている姿が温かく印象的だった。
出場チームの出番が終わった後は、会場の観客による投票が行われた。集計中、シークレットゲストとして登場したのは、アニメの主題歌も担当する人気アイドル「Luce Twinkle Wink☆」。メンバーの一人、〝めいぷる〟こと南雲芽依さんは学生時代にUNIDOLの活動もしていたそう。
そして緊張の結果発表。発表までの「溜め」の沈黙が長いのが、関西予選の風物詩。本選に進める1位・2位の発表まで、2分ほどの沈黙が会場を包んだ。1位は同志社大学「やっぱりまかろん。」 、2位は関西学院大学の「星空パレット」という結果となった。
歓声から元気をもらい、笑顔とパフォーマンスで観客に元気を与える。その掛け合いは、例えば甲子園や合奏コンクールと同じくらいの美しさがあった。青春を全力で「アイドルコピーダンス」に捧げた17組の女性たちにエールを送りたい。
終演後に、関西大学「Kitty eye」の一人、むーんさんに話を聞いた。
物心のついた時からアイドルが好きで、アイドルになりたい時期もあったというむーんさん。大学2年生に「アイドルコピーダンスをしたい」という思いが募り、アイドルコピーダンスサークル「Kitty eye」に入部した。
むーんさん自身はUNIDOLという大会の存在を知っていたものの、現役メンバーがコンテストに積極的でないという理由で同サークルの出場は長らく止まっていた。「私は今年で4回生。悔いは残したくなかったので、私が他の2人を誘いました」とむーんさんが引っ張る形で今回7年ぶりに出場した。
実は前日が卒業論文の提出日。今回の出場は卒論を執筆しながら挑んだという。「8時間練習して、そのあと家に帰って卒論書いて…という感じでしたね」。
卒業のギリギリまで、大学生活をアイドルコピーダンスに捧げた彼女は「UNIDOLを通してアイドルの疑似体験をすることで夢がかなった気持ちです。自分の活動を応援してもらったこと、また自分の活動によって誰かを応援できたことが幸せです」と笑顔を見せていた。