【ぽのぽの】はひとりひとりが心地よく自分らしく生きられるように。「個人の時代」というけれど、ずっとひとりきりは限界がありますよね。困りごと、みんなでサポートしあっていきたい。そんな思いを込めた週刊大阪日日新聞<北東部版>の連載企画です。
ぽのぽのワードはそれぞれのライフステージに潜んでいる問題や課題から様々な困難、ハンデにまつわる「ことば」を解説になります。(2024.5.22)
※1 障害者の法定雇用率
障害者雇用促進法では、事業主や企業に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率、民間企業の場合は2.5%)以上の障害者を雇うことを義務付けています。5年毎に、その割合の推移を見て設定され、年々その割合は上がっている。従業員が43.5人以上いる企業の場合、1人以上の障がい者を雇い入れる必要がある。
※2 優良A型事業所認定
全Aネット (NPO法人就労継続支援A型事業所全国協議会)が全国のA型事業所の就労内容の改善を目的に制定した認定制度。 就労事業収支基準と、一定の平均月額賃金額の確保を応募条件とし、「労働内容」「一般就労への移行努力」「社会的包摂への取組み状況」「力開発・能力向上への取組み」「職員の処遇」などを選定項目に設けている。認定を受けている事業所は全国約4,000事業所中、40事業所(2023.10.17時点)→Top Page | 全Aネット[就労継続支援A型事業所全国協議会] (zen-a.net)
※3 もにす認定企業
障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)認定事業主。令和2年から開始した制度で、令和6年3月31日時点で419の事業主がある。→障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)認定事業主一覧|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
※4 ASD
ASDは、「対人関係や社会的なやりとりの障害」「こだわり行動」という2つの基本特性がある発達障害です。ASDとは自閉スペクトラム症の英語表記である、「Autism Spectrum Disorder=ASD」の頭文字をとったものです。対人関係や社会的なやりとりの障害、こだわり行動などがある。
ASDは脳の障害と言われています。生まれつきの脳の機能になんらかの不具合があるために起こるものと言われており、親のしつけや育て方、本人の性格とは無関係であることが分かっています。
脳の機能の不具合によって起こる障害であるため完全に治るということはなく、対人関係や社会性の困難に対する配慮と、本人の特性にあった環境調整や療育・教育によって、症状の改善や発達の促進が期待できます。
※5 ADHD
注意欠如・多動症(ADHD)とは、発達水準からみて不相応に注意を持続させることが困難であったり、順序立てて行動することが苦手であったり、落ち着きがない、待てない、行動の抑制が困難であるなどといった特徴が持続的に認められ、そのために日常生活に困難が起こっている状態です。12歳以前からこれらの行動特徴があり、学校、家庭、職場などの複数の場面で困難がみられる場合に診断されます。診断される子どもの割合は学童期の子どもの3〜7%であり、男の子のほうが女の子より3-5倍多いと言われています。成人でも診断に該当する人の割合は2.5%ですが、男女比は1:1に近づくと言われている。
就労継続支援A型事業所
福祉的就労サービスの一つで、現時点では一般就労が難しいものの、一定の支援があれば働くことができる人が対象になっている。利用する人はA型事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が得られる。福祉的就労支援サービスにはほかにも、就労移行支援、就労定着支援、就労継続支援B型がある。
ジョブコーチ(職場適応支援援助者)
障がい者の職場適応に課題がある場合、障害特性を踏まえた支援を行う専門家のこと。障害を持つ人を雇用する企業の担当者、障害を持つ人の双方が利用できるサービスで、福祉的就労支援サービスの枠組みでは就労移行支援事業所に有資格者が多い。タイプは以下の3種類
①配置型ジョブコーチ
地域障害者職業センターに配置するジョブコーチです。就職等の困難性の高い障害者を重点的な支援対象として自ら支援を行うほか、訪問型ジョブコーチ及び企業在籍型ジョブコーチと連携し支援を行う場合は、効果的・効率的な支援が行われるよう必要な助言・援助を行います。
②訪問型ジョブコーチ
障害者の就労支援を行う社会福祉法人等に雇用されるジョブコーチです。高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する訪問型職場適応援助者養成研修又は厚生労働大臣が定める訪問型職場適応援助者養成研修を修了した者であって、必要な相当程度の経験及び能力を有する者が担当します。
③企業在籍型ジョブコーチ
障害者を雇用する企業に雇用されるジョブコーチです。機構が実施する企業在籍型職場適応援助者養成研修又は厚生労働大臣が定める企業在籍型職場適応援助者養成研修を修了した者が担当します。
ジョブコーチが行う障害者に対する支援は、事業所の上司や同僚による支援(ナチュラルサポート)にスムーズに移行していくことを目指している。