ぽのぽの

~子どもの発達支援、ママ達の座談会~

今回は、城東区の株式会社スマイルファクトリーが運営する児童発達支援の施設「蒲生4丁目にこにこツリーハウス」で2月22日、ママの立場、女性保育士、教諭で「発達支援」について話し合った座談会の内容をお伝えします。(𠮷見知世)

2月22日、城東区で行った座談会の再録記事(週刊大阪日日新聞3/15日号)
  • 杉山さん 株式会社スマイルファクトリー、児童発達支援事業所の運営責任者。保育園の園長経験もあり。娘二人。発達が気になった長女は既に成人し、カナダに永住している。
  • まるまるさん 寝屋川市在住。幼児教室で指導経験あり。10歳の長男が小学2年生時、ASD、ADHDの診断により、放課後等デイサービスを利用。
  • 𠮷川さん 5歳と2歳の男の子のママ。スクールカウンセラーからの助言で長男が児童発達支援の療育を利用。
  • ポンちゃん 元小学校教諭で、大学生、中学3年生、中学1年生、小学4年生の子どものママ。現在は不登校の支援で無料塾を開催。
  • 瀧澤さん 「特定非営利法人Sunny ones(サニーワンズ)」の理事長。ダウン症の娘とADHDの息子のママ。
  • はるさん 大阪市内の民間保育園に勤務。保育者としてもやもやを抱え、座談会に参加。
スポンサーリンク

0歳で子どもの発達の遅れに気付くの!?※本文中は敬称略()内は編集部注

杉山・・・うちの児童発達支援には、0歳児のお子様も通っています。1歳半過ぎても歩こうとしないとか姿勢が保てないとか、表情がないとか理由は様々です。

まるまる・・・0歳児ってはやくないですか?「うちの子、あれ?」って誰が気付くんですか?

杉山・・・おばあちゃんが気付くことが多いですね。うちの児発では保護者様の心配ごとは、すべて受け入れる姿勢で、半年に1回、支援計画を考えていますが、保護者の方の悩みは本当に尽きないですよね。塚本(=淀川区で運営している塚本駅前にこにこツリーハウス)では受け入れ枠がないぐらいですが、相談は本当に多いです。

まるまる・・・私は幼児教室で教えていた知育ママでした。月謝が15,000円くらいでした。友達の子どもが3歳から通っている療育でどんなことをしているか聞いたら、幼児教室とほぼ同じような内容だったので驚いたことがあります。療育は1回500円(寝屋川市の場合)だから、かなり金額の差があるので、早く支援に繋がってほしい。

杉山・・・うちでは、午前中の利用が多いです。最初、ずっと子どもにつきっきりだった保護者の方がいて、子離れさせることも大事だなと感じました。お子様を預かり「時間まで、美容院に行くとか買い物にいくとか好きにしてね」と言うのですが、最初はみなさん戸惑いますが、2日くらい経つとみんな慣れてきますね。子どもを信じて離れることも大切です。水泳が上手になりたかったらスイミング、英語が話したかったら英会話スクールに行くと思うんですが、「幼児教室だと思って気軽に来てほしい」とも伝えています。ここにくると一つのことができたら保育園や幼稚園の10倍は褒められるので、みんなすごく喜んでくれています。

療育を利用する際に必要な「受給資格者証」を取得するのは大変?

杉山・・・発達が気になれば、区役所や市役所に相談に行かれる保護者の方が多いですが、地域によって対応に差があるように感じます。大阪市では、かかりつけの医師の意見書を持って、行政に行くと面接し、すぐ発行してもらえるようです。療育に通うために自家用車を利用している場合、証明書があったら減税処置もあります。

一同・・・えー!そんなのがあるんですか?

まるまる・・・でも、知らない人も多いですよね。「発達検査を受けないといけない」と思って、半年待ちしている人もいました。みなさん、情報ってどこで知るんでしょうか?

𠮷川さん・・・私は、幼稚園のスクールカウンセラーさんでした。手帳はこうやってとるんだよ、発達検査している病院はここだよと教えてくれました。ちなみに長男が2歳の時に相談に行くと「5歳でまた発達検査があるんで」と言われただけで、仕方なく帰ったこともあります。今困っているのに・・・。

まるまる・・・教えてくれる人に出会えるかどうかで、だいぶ違いますよね。私は最初、役所で相談したら、保健センターの保育士資格のある先生が検査してくれたんですが、「きれいに三角形が描けるので大丈夫」と言われたことが・・・。コミュニケーション面で困っていると言ったのにスルーされたんです。

ポンちゃん・・・今だと両親ともにフルタイム勤務の家庭も多いから、時間を作るだけでも大変なことだよね。困っているから相談に行くのに話を聞くだけって・・・。

子どもの特性を受容できるようになるまでの思いを聞かせて

瀧澤・・・上の子がダウン症の女の子で、下の子が男の子です。息子が、年中くらいの時に「自分が子どもの頃の男の子ってこんな感じだったかな」と違和感を持ったことがありました。通っていた保育園が障がいをしっかりく受け入れていて、専門の先生に相談したら、「友達関係も良好だし・・・」と言われたんです。すごく過敏で偏食で、行き渋りも毎日すごかったので「もし何かあるなら早く寄り添いたい。できることがあるなら手当てをしたい」と伝えましたが特に進展はなく…。たまたま当時、上の子の学年のママたちと関係が良好で、相談したらある1人のママが「発達検査を受けてみたら」と言ってくれたんです。診断はADHDでした。それまで、原因がわからず親子で、なんで?とストレスばかりだったのですが、診断されたことにより、どう接したらいいかもわかり、親子の関係も良好になりました。
 息子は常に「僕のこと好き?」と聞く子で、そのたびに「好き」と伝えても自己肯定感が上がらない印象がありました。でも通いだした療育先の先生に相談したら「いくら言っても(自己肯定感が)溜まらないから、聞かれる前にお母さんから『好き』を伝えてみてください」とアドバイスされたので実践してみました。「好きやで。起きや」と朝、起きた時から習慣になるぐらい好きを何回も伝えたことで、息子にもいい感じにハマったようで、自己肯定感も自然と上がっていきました。自分にはこんな特性があると、自身のことも知ろうとしてくれるようになり、自分はこうだからここは気をつけよう、こう工夫しようと成長が見られました。
 周りを見ていると、昔のウチと同じようにしんどそうな家庭があったので「うちとちょっと似てるねんけど、こういう点しんどくない?」と聞いてみたことがあるんですが、「うちの子の性格だから」と言われたことがあったので、伝え方って難しいなと。親として発達検査に行ったり、診断を受けることに抵抗があるのもわかりますが…

はる・・・私は今、年中クラスを担当していて発達が気になる子がいます。お母さんはフルタイムで働かれていて、ほかの子たちと同じように接してほしいと望んでいます。その方にはクラスのほかの子たちと一緒に過ごしている様子を見てもらえたら何か変化があるかも?と思うのですが、毎日忙しそうで対応が悩ましいんです。

まるまる・・・専門家が療育を取り入れることが必要な子だと気付いても、お母さんが拒否するパターン、その反対もありますよね。それとなく伝えても・・・ね。

杉山・・・言いづらいですよね。保育士時代には、保護者様に3歳児検診の時にうまく発達支援に繋がって欲しいと思い、検診前に「こんな子が行きますから」と保健センターに連携したこともありました。今は、相談に来られる保護者様にうかがう限り、わりとストレートに気になるところを伝える保育園も増えている印象です。

ポンちゃん・・・私も、小学校の教師時代では、気になるところを親御さんに伝えると「うちの子はそんなんじゃない」と怒る方もいましたから・・・。でも年々、療育に対する心理的なハードルは、下がってきているように感じます。

吉川・・・お母さん自身は困ってないんでしょうか?

はる・・・フルタイムで働いていてお忙しくて…。数年後には小学校に進学するので、その子の環境を考えるとサポートに必要な物資とか座席の配置などもありますから、進学希望の小学校に相談してみるのもいいんですけど。

杉山・・・巡回指導の先生が頼りになることもあります。お母さんが、受け入れられなくても、本人が困っていることを汲み取ってみてほしいですよね。私は、療育側と保育側の両方を体験しました。療育は保育所に行って、その子の様子を見ないと出来ないと思っているので、スタッフたちにはどんどん保育所や幼稚園に行くように伝えています。逆の見方では、保育園で困っていることを療育で活かすことも大事だと思います。

はる・・・本人が今、困っていなくてもどこかで困ってくることもありますもんね。

杉山・・・お父さんお母さんだけでなく、支援員さんが付かないといけないパターンもあります。保育園は、少人数で先生たちも手厚く優しく見てくれますが、小学校は世界が一気に広がるので、同じようにはできないんじゃないかな。

はる・・・クラスの友達も、この子はサポートが必要とわかっているので、当たり前のように友達が手伝っていることは、とてもいい関係だなと思います。でも、小学校で同じようにするのは難しいかもしれない。

ポンちゃん・・・障がいのある子はついていくのが大変だから支援学級も使いながらになりますよね。一緒に関わるうちに回りの子達も刺激を受けるし、そこにいるのが当たり前になっていくので、インクルーシブ教育が理想的ですよね。元教師としては、次年度になる前に早めに保育園の園長さんたちが教えてくれたら学校側も配慮ができるようになるので、ありがたいと思います。

はる・・・以前、年中の子のご家庭で「小学校は先生の異動もあるので確認しておきませんか?」と伝えたことがありました。お母さんも協力的で、小学校からはあと1年でこういうところを伸ばしていけたらいいですよねと伝えてもらったので、お母さんも気持ちの切り替えになったことがありました。現場で子ども達と接している保育士としては、どこまで学校の先生方がサポートしてくださるかわからないし、お母さんも小学校のことは入学しないとわからない。小学校と保育園や幼稚園はすごく違うと感じましたし、もっと勉強しないといけないと思いました。

ポンちゃん・・・子どもはその子なりの発達ですくすく育てばいいんじゃないかな。相談できる横のつながりがあればお母さんが楽になると思う。「トリセツ」があったら学校側としても思い出せるからいいですよね。

まるまる・・・支援級では家庭から出している手紙を見てくれてないなと思うときがある。

ポンちゃん・・・学校によって支援級に差があると感じますね。

杉山・・・小学校が選べるようになり、手厚いとこが良いのか、(支援が)少ないところが良いか考えられるようにはなりました。年長さんから支援級の見学に行けるようになっているので、できるなら利用してほしいです。また、本人が通える道のり化も大事ですね。最近は保護者の方に就学前サポートブックを書いて渡しています。いろんな発達支援関係のホームページにテンプレートがあるので、就学前サポートブックを印刷して書くことができます。持っていたら安心じゃないですか?こういうところが苦手ですとか書けますから。

子どものために色んな工夫をして楽しんで

瀧澤・・・実は息子には月曜日、行き渋りがあるんです。私は、学校が全てじゃないと思っているのですが、あまりにも続くので「学校、辞めたら」と言ったこともありました。中学生になると、欠席は高校受験の内申にもかかわるので、これはまずいと、有給カードを作ってみたんです。行事の時は使えないのと、月3回までの上限あり。これだったらいけるかなとコミュニケ―ションの中で考えて、手を変え品を変え、どれがピタッとくるかなと楽しんでいます。

まるまる・・・(瀧澤さんが親の会をされているように)オンラインでもいいので、親の会などで繋がれたらいいと思います。今後の情報も得られるので。インターネットで調べると情報過多になってしまいますし、病院の先生に言われるのとまた受け取り方も変わってくるので良いのではないでしょうか。私がオープンチャットでつながっているママたちはすごく勉強しているので、専門家よりも詳しいんではないかと思う人もいるぐらいです。

旦那さん、パパはどのように子育てに携わって欲しいですか?

まるまる・・・とにかく奥さんの言うことを聞いてほしい。お母さんは、子どものことをよく知っているから、旦那さんに相談したときに「うちの子はそうじゃない」とか「俺の子どもの時はこうだった」は禁句です。うちは、すすんで放デイの送迎をしてくれているのでとても助かっています。

ポンちゃん・・・私は、できれば地域の子どもたちもたくさん巻き込んでとにかく一緒に遊んでほしいです。

𠮷川・・・私は、療育で取り入れたことを一緒に対応してほしい。パパとママで違うとなったら、子どもが大変なので。

杉山・・・最近は夫婦で面談に来る方が多いです。家で、伝言ゲームのように伝えるのが難しいのであれば、一緒に来てもらうのが良いかと。出産に立ち会うのと同じです。面談や参観をどんどん利用し、お子さんの姿を目の当たりにしてもらったらいいと思います。

まるまる・・・授業参観でも有給をとるお父さんが増えています。

杉山・・・お母さんにしかできないことがないようにすることが大事です。お父さんにしかできないことを作って自信をつけてもらうのもいいかも。ほら「なんちゃらもおだてりゃ木に上る」とか言うでしょう(笑)

一同 ハハハハハハッ!そうそう!

杉山・・・お母さんがお父さんを褒めてのばすことも忘れないで!

座談会を終えて・・・それぞれの感想

まるまる・・・私は、あれっと思うことがあり、相談に行ってもお医者さんや先生からは大丈夫と言われて済まされてきました。この解決策は難しいなと未だに思っています。わかってくださる先生に出会えるのって本当にラッキーだと思います。仕組みで変えてほしいと改めて思いました。

杉山・・・子どもが困っているかどうか見極めることが1番大事。これから困っていくから今からなんとかしようよと気付かせるのが療育。やらされている感がなく、子どもが伸びていくよう促すのがプロのチカラ。お父さんお母さんも育てることができるよう、今後もサポートしていきたいです。

瀧澤・・・自身が代表理事を務める「親の会」を通じて、お母さんがキラキラして輝いているのが、すべてにおいて良いと思っています。子育て支援という言葉をよく聞きますが、ママ支援が重要だし、すべてに繋がっていくと思う。そこをなんとかしていきたいです。

はる・・・子どもに関わるにはなにごとも「愛」。この子は今、何に困っているか、どう過ごせたらいいのかと考えるのも「愛」。そのことを忘れずに過ごしていきたいです。

吉川・・・ほかのお母さんたちが実際に苦労したり、子どもにいい影響があったと聞く貴重な機会になりました。フルタイムのお母さんが多いと思うので、受給者証のことなど多くの人が知ることができればいいなと思いました。日日新聞さん、もっと発信してください!お願いします!

ぽんちゃん・・・(教師時代の)昔のことも色々と思い出しながら嬉しくて楽しくなりました。子どもに関わるの、良いな、愛やなと思いました。我が子と、あと旦那にも愛を持って、育てていきたいと思いました。

担当記者、吉見知世の感想・・・長女が1年生なので、保育園と小学校の手厚さの違いを実感する1年でした。親としては、「我が子に特性がある」と受け入れたくない気持ちもわかりますが、子ども自身が本当に辛くなってしまう前に何か対策をすることが本当の親の愛だと感じました。

関連ページ
児童発達支援、放課後等デイサービス特集→