大阪メトロ「堺筋本町」駅の改札を出てすぐ。黒門市場で乾物問屋を営む山長商店グループが「出汁のおいしさを伝える」ためにオープンしたラーメン店がある。
それが「本町製麺所 中華そば工房」(大阪市中央区船場中央1)だ。

開店は2016年で、場所は阿倍野・美章園。閑静な住宅地にある1軒ながら、麺好きたちがこぞって訪れた。より多くの人に楽しんでいただきたいと、2021年に同地へ移転を果たした。翌年以降、ビブグルマンに3年連続で選出され、行列のできる店として知られている。
看板の「名物 中華そば」は、複数の削り節と昆布、鱧、鶏ガラでとった出汁との相乗で、コクと旨味、ふくよかな香りを生み出した醤油スープが特長。お好みで山椒を加えると、スパイスの刺激で味と香りに変化が生まれ、よりさっぱりとした後味に。
自家製麺は、丸麺と平打ち麺の2種から選べ、好みによって異なる食感と、スープとの絡みを楽しめるのもいい。

店長の藤本歩さんは、「同じ水分量で、同じ茹(ゆ)で方をしても、日によって温度、湿度が違うため、麺の仕上がりが変わります。だから、毎日朝一番に茹でてみてその日の味と食感を確認してから、最適な茹で時間を決めています」と語る。「毎日、当日分のみを製麺する」という〝売り切れ御麺(ごめん)〟のスタイルも潔い。

記者は今回丸麺を選んだが、次回は平麺や、汁なしも食べてみたい。詳しくは、URL(https://www.instagram.com/honmachiseimenjyo)へ。(西村由起子)