「患者ファースト」な歯医者は「検査」に注力する

顕微鏡とレントゲンを使用した虫歯の精密検査

 定期的に歯医者に行っているだろうか。通院していても十分に「虫歯対策」ができていないかもしれない。
 歯科検診は目視で行うため、小さなサインを見逃してしまうことが多い。知らぬ間に虫歯が進行していたり、反対に小さな着色や歯石を虫歯と誤診して無駄な治療をするケースも多々ある。そのため、天満にある「みつおデンタルクリニック」では、患者一人一人に顕微鏡とレントゲンを使った検診を行っている。

 虫歯は、歯の中でアリの巣のように広がる。歯の表面に小さな穴を作り、その穴から入り込んで中側で侵食していく。そのため、虫歯がかなり進行したタイミングでないと痛みは感じにくく、見た目にも表れにくい。

 「『少し歯が痛むから、早いうちに診てもらおう』と思って歯医者に行く頃には、深刻なところまで進行していることがほとんど。そのため、初期で患者さまが気づくのはかなり難しいでしょう。虫歯の元をきちんと見つけるのはプロである歯科医に責任があります。なので私は開業時から検査と予防に力を入れています」と高津光雄院長は語る。

 ただ、現状の医療制度では、治療に比べると検査への報酬は少なく、検査に力を入れることはクリニックにとってはあまりプラスにならない。それでも高津院長がこれほどに予防に力を入れるのは、自身が抱く「医療のあるべき姿」を大事にしているからだ。

 「私は信頼して通ってくれている自分の患者様に対してがっかりされるようなことはしたくないんです。定期的に通っているのに虫歯が見落とされていた…なんて悲しんでほしくない」と高津院長。

 初期の検査を精密に行っていれば、患者にとっては、最終的にかかる医療費も抑えられ、治療によって生じる痛みや再治療などの問題も防げる。「特に、インプラントやセラミックなどの『いい治療』と呼ばれるものには費用がかかるので、金銭的な余裕のない方には難しい。医療はどんな人にも平等であって欲しいので、私は検査に力を入れ続けて、そのような治療を未然に防いでいきます」と高津院長は意気込んだ。

<取材協力>みつおデンタルクリニック/大阪市北区与力町4-15 ダイナスティ与力101/電話06(6948)6232