
9月11、12日にeスタジアムなんば(大阪市浪速区)で「XR KAIGI Hub in Osaka」が開催された。XRとは、ゴーグルやスマホなどを通して“現実と仮想の世界”を行き来できる最新技術のこと。海外では学習や買い物などに活用され、生活に溶け込み始めている一方で、日本はまだまだ“これから”だ。
こうした世界的な潮流を関西からも広げようと、大手メーカーからベンチャー企業までバーチャル領域を担う多彩な出展者が集まり、防災や教育、エンターテインメントなど幅広い分野での最新事例が披露された。
防災から健康、エンタメも
大阪を拠点にデジタル技術を活用して地域の課題解決などを手掛けるMeta Osakaは「バーチャル消防士体験」を出展。人気ゲームプラットフォーム「ロブロックス」を活用し、子どもたちが火災現場を模した空間で消火活動に挑戦する。煙の広がり方や火の燃え移り方は元消防士の知見をもとに再現され、単なるゲームにとどまらない“防災教育の入り口”としての役割を果たす。小さな火でも近づかず、まず逃げることの大切さを自然に学べる設計になっている。

また、関西学院大学 井村研究室による視覚機能を鍛える「目が良くなるゲーム」といったユニークな展示も。遊びながら目のリハビリや健康維持に役立つ可能性を示し、来場者の関心を集めた。

「子供の遊び」ではなく社会の基盤に
Meta Osaka代表取締役の毛利英昭さんは「メタバースはもはや子どもの遊びではない。次世代のコミュニケーション基盤である」と強調する。
さらに、「今や多くの子どもたちが“今日4時に集合ね”と約束して向かうのは、現実の公園ではなくゲームの中になりつつある。すでにメタバースは、子どもたちにとっては友だちとつながる大切な遊び場だ。近い将来には、インターネットやスマホがだんだん普及したように、誰もが当たり前に、現実と仮想をまるでコンビニに行くかのように行き来する時代が来る。それに備えて、大人も今からXRを知り、理解しておく必要がある」と語った。
