文化・行政の中心地として知られる大阪・中之島が今、大きく変貌を遂げている。新駅や大規模住宅開発、教育・医療施設の整備が進み、「陸の孤島」と呼ばれた街は、暮らしの拠点として再評価され始めた。

かねてより行政やビジネス、文化の中心でありながら、「陸の孤島」とも称されてきた大阪・中之島。しかし近年、都市機能の整備が進み、街は大きく様変わりつつある。 (西山美沙希)
都市開発と交通革命が生み出す新たな価値
直近だけでも2022年に開館した「大阪中之島美術館」、24年の未来医療国際拠点「中之島クロス」など文化・医療・国際交流施設が整備され、知と創造の拠点としての性格が強まっている。昨年4月には大阪市立中之島小中一貫校が開校し、教育機能も正式に加わった。
そして31年春に開業予定の「なにわ筋線・中之島駅(仮称)」は、関西空港・新大阪・梅田・難波と直結予定。交通アクセスを劇的に改善し、都市価値を一気に高めると見込まれている。

最大規模 ツインタワー開発で「暮らす街」として注目
5丁目のツインタワー開発も注目を集める。地上57階・52階・計1750戸の住宅タワーが30~31年に完成予定で、大阪最大級の規模となる。
タワマン事情に詳しい「TOWERZ」の芝崎健一氏は、「中之島の物件は、個々のマンションだけでなく、街全体を〝面〟として開発している点に価値がある」と話す。「標高が高く、水害リスクが低いため防災面でも安心。小中一貫校の開校でファミリー層の支持も高まった。駅が開業すれば、資産価値も含め一層注目を集める物件になるでしょう」と、住環境の将来性を語る。
この開発以外の周辺でも住宅集積が進み、「タワマンアイランド」と称されるほどだ。かつてビジネスと行政の街だった中之島は、今や「暮らす都心」として再定義されつつあり、〝水都・大阪〟の象徴として新たな魅力を備えつつある。