「ヒガシ」の開発進む 大阪公立大森之宮キャンパス開設

森之宮キャンパス外観

 大阪公立大学森之宮キャンパスが9月24日に開設し、26日から授業を開始した。同学のメインキャンパスとしての機能を担い、約6000人の学生・教職員が通う。

 開設により、1年次は全員が同キャンパスへ通い、基幹教育(初年度教育)を受け、次年度以降は各学部のキャンパスに移るという体制になる。さらに杉本キャンパス(住吉区)と羽曳野キャンパス(羽曳野市)から、文学部、生活科学部食栄養学科、医学部リハビリテーション学科が移転する。

(左から)本部事務機構企画総括部長 柴山敬さん、副学長 (教育担当) 松原浩さん、本部事務機構次長 石井小巻さん、森之宮学務室長 前田直樹さん が取材に応じた

 副学長である松原浩さんは「大阪府立大と大阪市立大は2022年に統合したが、今までは『公立大』としての統一感を出すのが難しかった。今回森之宮キャンパスを開設し、基幹教育と本部機能を集約することで、ようやく一つの大学としてまとまることができる。各キャンパス・学域、そして民間や行政、それぞれをつなぐ窓口としての役割をこのキャンパスが果たしてくれたら」と話す。

 同キャンパスは、大阪の「ヒガシ」エリア開発の一環を担い、2028年春に開業する「大阪メトロ 森之宮駅(仮称)」にも直結する予定。「地域に開かれたキャンパス」として産官学民で連携を推進する。

「森之宮駅(仮称)」につながる予定のデッキ

 すでに、キャンパスの隣に位置する「森之宮団地」と連携した実証実験や調査活動を実施しているほか、京橋エリアに本社を構えるNTT西日本と連携協定を結び、学生が携わるものも含めて複数のプロジェクトが企画・進行中とのことだ。

展望テラスからは大阪城が真正面に見えるほか、京橋のビル群やあべのハルカスも見える

 キャンパス内には一般利用ができるエリアも設けており、約17万冊の蔵書を誇るライブラリーや、大阪城天守閣が正面に見えるテラス、ラウンジが一般利用可能だ(2年で2000円の登録料が必要、18 歳以上の近畿圏内在住限定)。今後は共有部を活用し、リカレント教育の場や地域に向けた講演会を実施することも想定されている。

ライブラリー。蔵書の他に勉強やディスカッションができるエリアも

 森之宮学務室長である前田直樹さんは「大学が地域に住む方や働く方にとって、敷居の低いものとなってほしい。気軽に足を運びに来てください」と話す。

24日の開設記念式典でテープカット
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