
明浄学院高等学校(大阪市阿倍野区、渡邊雅彦校長)は、鎌倉時代の歌人・藤原家隆卿の功績と遺徳をしのび、生徒と教職員が詠んだ和歌を捧げる「家隆忌(かりゅうき)」を、天王寺区夕陽丘にある「家隆塚」で執り行った。
生徒代表が、日常の風景や情景を高校生ならではの瑞々しい感性で詠んだ和歌を朗詠した。家隆忌は1957年に始まり、今年で69回目を迎える。同校では、和歌や俳句の創作を授業に取り入れており、生徒たちの表現力の育成にもつながっている。
式典は6月12日に実施され、生徒約50人が参加。献茶や献香、家隆卿を顕彰する祭文の朗読、家隆卿が詠んだ和歌3首の朗詠などが厳かに行われた。また、同校の生徒と教職員が詠んだ71首の和歌が、生徒代表によって披露された。
生徒会長を務める宮前いずみさん(3年)は、「今年は大阪・関西万博をテーマに詠まれた和歌もあり、新鮮だった。60年以上前から続く、明浄の歴史を感じられる行事。私自身も3年間参加し、伝統を引き継ぐことができて良かった」と話していた。