阪神梅田本店で「土佐のおきゃく」体験 食と酒と祭りの6日間

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「高知フードトリップ~乾杯!土佐の宴会開宴~」18~23日開催

「大阪梅田の1番地、阪神百貨店で土佐の〝おきゃく〟がはじまるでよー」司会者の掛け声で鏡開きと共に開幕した「高知フードトリップ」。左から高知県大阪事務所の辻和生所長、「土佐のおきゃく」大使・植野広生氏、土佐酒アンバサダー森裕子氏。

 NHKの連続テレビ小説で、漫画家・故やなせたかしさんがモデルとなり、いま再び注目を集めている高知県。同県のディープな魅力に迫るイベント「高知フードトリップ~乾杯!土佐の宴会開宴~」が18日~23日の間、阪神梅田本店1階・食祭テラスで開催した。土佐ならではの〝おきゃく(宴会)〟文化と本場のかつお料理を軸に、多彩な食と人が集う6日間だ。

 会場では、県内19の酒蔵による日本酒の試飲販売をはじめ、酢みかん文化やいなか寿司、黒潮町のグルメ缶詰など高知独自の食文化が味わえる。初日となる18日は、「土佐のおきゃく」大使・植野広生氏をはじめ、高知県大阪事務所の辻和生所長、大阪の人気居酒屋「とさかな」元女将で今回土佐酒アンバサダーとしてBARをオープンする森裕子氏らの鏡開きで、イベント開幕を華やかに飾った。鏡開きは「高知酒造」の銘酒「仁淀川」で、来店客に振る舞った。

 「〝おきゃく〟とは、ただの宴会ではありません。お酒を通じて誰もが輪に加われる、全員参加型の文化です。高知では、座布団と皿鉢(さはち)料理さえあれば宴が始まる」と語るのは、「土佐のおきゃく」大使・植野氏。土佐の皿鉢は刺身や果物、羊羹(ようかん)まで盛られ、老若男女問わず一緒に楽しめる食の集合体だ。

 目玉となる〝かつお〟の味も折り紙付きだ。中土佐町・久礼の老舗「田中鮮魚店」などが目利きした「土佐久礼かつお」は、あっさりした脂と甘みのある赤身が特徴。藁焼きたたき丼や角煮、さらには「ど久礼もん」の燻し焦がし焼きなど、多様なアレンジが味わえる。

土佐久礼かつおの藁焼き塩タタキ丼・タレタタキ丼
中野和美さんが作った田舎ずし
防災の町・黒潮町のグルメな缶詰

 期間中はトークイベントや伝統芸能のデモンストレーションも行われる。19日には防災の町・黒潮町から「黒潮町缶詰製作所」代表・友永公生氏が登壇。講談師・玉田玉秀斎氏によるオリジナル講談とともに、非常食からごちそう缶詰となった「おきゃくかん」への転換の背景が語られる。21日には、「べく杯」や「箸拳」といったお座敷遊びのデモも披露され、宴会文化が五感で体験できる。

 高知県大阪事務所の辻所長は「やなせたかしさんの故郷として注目されている今こそ、高知の本質的な魅力を味わってほしい」と語り、さらなる誘客に期待を寄せた。

 高知が誇る〝おもてなしの原点〟ともいえる「おきゃく」。今週、大阪の中心で、その奥深い文化に酔いしれる宴を楽しんでみては。

高知の食や文化を紹介するブースに見入る来場者