中東は〝女性が活躍する職場〟へ UAE館で描くリーダーの未来像

 大阪・関西万博のアラブ首長国連邦(UAE)館で5月16日、「壁を超えて:UAE─日本 女性友好委員会とともに考えるジェンダーバランス」と題したセミナーが開催された。テーマは、エネルギー業界における女性の役割とリーダーシップ。UAEと日本が共同で進めてきた女性友好委員会の10年の歩みを振り返りながら、教育格差や業界ごとの雇用バランスについてクイズ形式で参加者と対話を深めた。

登壇する女性友好委員会代表のマリヤム・アル・スウェイディさん
登壇する女性友好委員会代表のマリヤム・アル・スウェイディさん

 女性のキャリア支援策や文化的改革の意義について活発な意見交換が行われた中で、特にエネルギー業界への認識の違いが浮き彫りとなった。日本では依然、「男性中心の職場」の印象が根強い一方、UAEなどの中東諸国は「女性の活躍が積極的に進む分野」として捉えられているという。実際、UAEでは性別を問わず優秀な人材が集まり、リーダーとしての活躍も広がっている。
 日本側の参加者からは「国内でも徐々に女性が管理職に登用され始めているが、まだ道半ば」と驚きと課題認識の声も聞かれた。

太陽とともに動く技術 日U連携が実現した次世代パネル

 高さ約16㍍のナツメヤシ90本のオブジェが並ぶ同館。乾燥ナツメヤシの葉軸約200万本を日本の木工技術で加工し、砂漠の中のオアシスを表現している。

館内にはナツメヤシ90本でオアシスを再現
館内にはナツメヤシ90本でオアシスを再現

 同国では2050年までにエネルギーの50%を自然由来で賄うため、砂漠地帯に巨大な太陽光発電施設を保有。パビリオンにはアブダビ国営石油会社と日本企業が協働で開発した「サステナビリティ分野の先駆者たち」という太陽光パネルも展示した。パネルが太陽の動きに合わせ、自動で角度を変える技術も紹介している。

精巧に作られた太陽光パネルの展示
精巧に作られた太陽光パネルの展示

 このほか、同国が世界をリードする宇宙探査や医療・健康などの分野にもスポットを当て、来場者の注目を集めている。