【吉村府知事番記者】基幹災害医療センターへのサイバー攻撃 原因究明とシステム復旧が最重要


記者団の質問に答える吉村知事

 大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)が10月31日、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」によるサイバー攻撃を受け、電子カルテシステムに障害が発生した。11月4日時点で、予定していた手術の一部を再開したが、システムを再構築しており、復旧には時間がかかる。同センターは災害時の救急医療などを担う基幹災害医療センターだが、救急対応は近隣の病院のネットワークで対応する。新型コロナウイルス感染症についても重要な役割を担っており、感染流行期に同様の被害があれば、影響は計り知れない。大阪府は原因究明とシステム復旧を支援するとしており、吉村洋文知事は1日、記者団に対し「原因究明とシステム復旧が最も重要。最大限の支援をする」と述べた。

─読売 サイバー攻撃の対応状況は。

 「原因の調査とサーバー復旧に向けた取り組みをしているが、すぐに復旧がかなう状況ではない。大阪府としてできる限りの復旧支援をしていく」

─読売 地域医療への影響は。

 「影響は大きい。重要な役割を担っている病院。すでに入院している方か、緊急の手術以外は新規の診察も受けていない。周辺の病院とも連携をしながら対応している。あした大地震が起きたらどうするのということに関しては、災害拠点病院間のシステムは別にあるので対応できる」

─関西テレビ 新たに見えた課題は。

 「サイバー攻撃に対する対応、管理体制については国から出ているマニュアルを履行していた。いつどこの病院がなってもおかしくない。サイバーテロに対するシステムの強化がより重要な課題」

─日経新聞 コロナ対応への影響は。

 「中等症、重症の方を受け入れる重要な役割を担っている。今も重症の方が入院しているが、退院するまで継続して対応する。新たな人を受け入れるのが難しい状況。今はコロナの感染流行期ではないので大きな影響は出ていない。この冬にもおそらく感染の波が来るから、府としても全面的に支援をしていく」

 「原因究明が最も重要。全体としてサイバー攻撃への対応を高めていかなければならない。国家の安全保障にも関わる問題。府も最大限の支援をし、一日も早い復旧を目指している。国にも入ってもらいながら進めている」