
平野区にある「Panndryパンとランドリー」は、その名の通り、パン屋とコインランドリーの併設店。このコラボレーションの経緯について、店主の万福(まんぷく)さんに話を聞いてみた。
まず、コインランドリーだが、利用者や近隣住民、環境に徹底的に配慮し、社会課題に真摯に向き合う店舗をめざしており、「第9回コインランドリー店アワード2024」で最優秀賞を受賞した。
「人に安全・安心、地球環境にもやさしい」がコンセプトのエシカルショップ。1番の特徴は、洗濯洗剤・柔軟剤、そして香水などに含まれる化学物質で、化学物質過敏症を発症したり、その他さまざまな症状で苦しむ人が増えている「香害(こうがい)」の啓蒙活動をしている。化学物質過敏症患者数は今や120万人、潜在患者数では1000万人を超え、深刻な問題になっている。
これを踏まえて同店は、誰もが衣服に臭いが移ることを気にすることなく安心して利用できるようにと、全国的にも珍しい乾燥機の利用時のルールを設けている。
利用ルールは、「ご自宅で洗濯する際に柔軟剤・洗濯ビーズ・ジェルボールを使用して洗濯した洗濯物の乾燥機のみのご利用は禁止」というもの。来店者一人一人に確認する徹底ぶりで、コインランドリー独特の臭いが店内や店舗周辺でも感じることがないという。
加えて、各家庭でも環境にやさしい洗濯をしてもらおうと、同店推奨の洗剤を販売している。刺激や環境負荷の低い界面活性剤を主成分とする洗剤は、衣類への洗剤残りも少なく、水質汚染を抑えることができる。
価格は500㌘ボトルが3707円(税込)で、量り売りは100㌘が557円(税込)。割高に感じるかもしれないが、1回の洗濯に使用する界面活性剤の量は一般の約7分の1、洗濯時に使う30㍑の水に対して、5㍉㍑(小さじ1杯)の洗剤で済むので、1回当たりの使用量が少ない。また、洗剤と水の比率が1対15であれば、トイレや風呂、食器用洗剤としても使用可能。すすぎや柔軟剤がなくても洗濯物が柔らかく仕上がる。トータルで見ると、「時短・節約・節電になり家計にやさしいはず」と万福店主。

今どきのコインランドリーの多くが無人営業をしている中、同店は有人の併設店舗で顧客とのコミュニケーションが楽しめる店づくりにした。併設の店舗選びは、開業前に多くの併設コインランドリーなどを視察している中、女性の滞在時間が長い傾向のパン屋に決めたという。
パンの生地は、食品添加物を一切使わない国産(北海道産)小麦を100%使用。水は、乳幼児や腎臓疾患の人などの水分補給に最適といわれる超軟水と、酸化を防止する効果がある脱気水を使用し、体へのストレスを軽減。常連客は環境や健康に気を配る人が多く、パンの持ち帰りは自宅から持参したフライパンをエコバッグ代りに使う人が多いという。


■Panndry (パンドリー)パンとランドリー/大阪市平野区加美正覚寺2-3-19/電話06(6777)8062