「長崎は今日も雨だった」「そして、神戸」などのメガヒット曲を持つ歌手、前川清(76)が大阪・新歌舞伎座で4月8、9日開催の「前川清ファミリー劇場~笑いと歌のワンダーランド」PR会見を行った。

第1部のコントは九州朝日放送でお笑い芸人「Wエンジン」えとう窓口(51)と共演で放映中の旅番組「前川清の笑顔まんてんタビ好き」をモチーフに、長男の歌手で俳優の紘毅(39)と次女で歌手の侑那(33)を加えた4人で「爆笑コント!タビ嫌イ」を上演。「このテレビ番組は九州ではおなじみなんですけど、関西のお客さまはご存じないですからね。知らなくても楽しめるようにアレンジしてご覧頂きます」と準備に余念がない。

萩本欽一やドリフターズにも認められた独特のおっとりしたおとぼけトーク芸には定評がある。「このコントは博多座で2回やったらすごくウケたんです。昔の歌手は歌うだけで余りおしゃべりはしなかった。今はトークを楽しみにして劇場に来られるファンが多い。僕も段々と直立不動からおしゃべりするようになりました」と振り返る。

二幕は歌。昨秋に新曲「風潮」が出た。歌手として55周年ソロ歌唱54作目となる。シンガー・ソングライター永井龍雲が前川のために書き下ろした。何かと生きづらい世の中で生きた証しを求め前を向く内容で中高年の共感を呼ぶ曲調。「ネット時代になってなかなかCDが売れない。若い頃の声はもう出ないかも知れないが、その分〝味が出た〟と言って頂け、こうして新曲を出して下さる。かつてのヒット曲を聴きたい方にはもちろんですが、新曲の中身もしっかり説明しお届けしたい」と張り切る。

大阪の新歌舞伎座の舞台は一流歌手の証明でもあり思い出多い。「大阪は僕の両親が晩年移り住んだ地で、よく訪れました。新歌舞伎座の舞台は何度立っても素晴らしくお客さまも温かくてやさしい。一緒に写真を撮ったりフレンドリーな展開が楽しみ」と話し、「気楽に笑顔でご覧頂ける内容にしたい」と最後の詰めに余念がない。
(畑山博史)