〝さくらねこ〟TNR活動の意義 人と猫が共生できる環境づくり

 守口市では地域のボランティア団体や個人が中心となり、TNR(捕獲・不妊手術・元の場所に戻す)活動を通じて野良問題の解決に取り組んでいる。不妊手術を受けた目印として耳先をV字にカットした猫のことを〝さくらね こ〟と呼び、同市内で見かける機会が多い。

耳先が桜の花びらのようにカットされた〝さくらねこ〟

 TNR活動とは野良猫を一時的に捕獲し、不妊手術後に元の場所に戻すことで繁殖を防ぎ、野良猫の数を緩やかに減少させる取り組み。これにより地域環境が改善され、住民と猫が共に穏やかに暮らせる社会の実現を目指す。

 野良猫の増加は、ゴミの散乱や夜間の鳴き声、悪臭といった生活への影響をもたらし、トラブルを引き起こす場合もある。しかし、単に野良猫を排除するだけでは「空白地帯効果」という現象が起こり、他の地域から新たな猫が流入して問題が再発する。そのためTNRは持続的な解決策として注目されている。

 ボランティアスタッフは「今後もTNR活動を継続し、地域住民の理解と協力を得ながら、人と猫が共生できる環境づくりを目指していく」と話している。