万博跡地にサーキットやリゾート 「大屋根リング」や「静けさの森」の活用も

 大阪府と大阪市は1月9日、2025年の大阪・関西万博終了後の夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)跡地利用について、大林組と関電不動産開発を代表企業とする2つの民間事業者グループの提案を優秀提案に選定したと発表した。これをもとに3月までに「夢洲第2期区域マスタープラン」を策定し、25年度後半に開発事業者を募集する方針だ。

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大阪府・市 万博跡地活用2案を優秀提案に選定

 対象区域は万博会場の中心部にあたる約50㌶で、シンボルである「大屋根リング」や中央の緑地「静けさの森」の活用が求められている。昨年9月から提案を公募し、3案の中から2案が選ばれた。

 1つ目の案は、大林組を代表とするグループによるもので、大型アリーナやサーキット、高級ホテルの建設を提案。サーキットはモータースポーツ開催を目指し、将来的にF1誘致も視野に入れている。「大屋根リング」の一部保存や、部材の再利用、「静けさの森」の拡張によるアート展示スペースの整備も含まれる。

優秀提案1のイメージ(大阪市の資料より)
優秀提案1のイメージ(大阪市の資料より)

 2つ目の案は、関電不動産開発を代表とするグループの提案で、スライダー付きのウォーターパーク、劇場、リゾート施設を核とした複合エンターテインメント空間の整備を計画。こちらも「大屋根リング」の部材再利用や、「静けさの森」の樹木を移設した新公園の設置が含まれている。

優秀提案2のイメージ(大阪市の資料より)

 府市は「万博の理念を引き継ぎつつ、30年開業予定の統合型リゾート(IR)との相乗効果を期待している」と説明。吉村洋文知事は「非日常的な空間を創出し、大阪の成長を後押しするまちづくりを進めたい」と述べた。