今、大阪の「ニシ」が熱い!

万博・IR開催を控え、開発ラッシュ!

大阪IR株式会社提供

 今年7月以降、「KITTE大阪」「イノゲート大阪」「グラングリーン大阪」とキタで新スポットの開業が相次いだ。しかし、「ニシ」エリアも負けてはいない。来年4月から開催される大阪・関西万博を皮切りに、ベイエリアでさまざまな開発が予定されている。様変わりする「ニシ」の開発を整理した。

夢の人工島

 「ニシ」の開発、最大の目玉は、何と言っても大阪湾の人工島「夢洲」(ゆめしま)だ。2025年に「大阪・関西万博」、30年に大阪IRの開業と巨大開発が目白押し。2025年日本国際博覧会協会で広報・プロモーション局長を務める小林浩史さんは「大屋根リングの円周2㌔の中に、各国が今一番面白いと思っているものすべてがギュッと詰まっている。またとない機会をぜひ体感してほしい」と力を込める。

 同地へは大阪メトロ中央線が「コスモスクエア」駅から延伸され、25年1月19日に「夢洲」駅が開業する。同線は、大阪・関西万博会場へ直接乗り入れる唯一の鉄道アクセスルートとなる。

2025年日本国際博覧会協会提供

水と空のポート

 大阪府は、大阪・関西万博の来場者を大阪城や道頓堀など市内の観光拠点に船で誘客するため、安治川左岸(大阪市西区)に船着き場「中之島GATE」の整備を進めている。海船と川船を乗り換える水上観光の結節点となる。

 大阪市中央卸売市場を目の前に控えるロケーションを生かし、新鮮な食材を使用したレストランの他、グランピング施設などを整備。「空飛ぶクルマ」の離着陸場を設ける計画もある。インバウンドや富裕層をターゲットとしたクルージングプランも作成する。

大阪府提供

水都・大阪の復権

 天保山では今年春、新たな客船ターミナルが建設された。延床面積は約5090平方㍍と旧ターミナルの約2倍。将来的には22万㌧級のクルーズ客船にも対応できる施設計画だ。クルーズ客船の母港化、にぎわい創出と集客力強化、天保山エリアの環境魅力向上の3点を軸に世界水準の客船ターミナルを整備。クルーズ客船が入港することで周辺施設への経済波及効果が期待できそうだ。

大阪市提供

まるでリゾート地

 万博開催区となる此花区でも開発が進んでいる。まずは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに隣接する桜島エリアだ。此花区長を運営委員長とする「此花西部臨港緑地エリア水辺賑わいづくり協議会」は、水辺遊歩空間の整備を行う事業者を募集し、合同会社「桜島開発」を選定。基本コンセプトを「Osaka Sakurajima Resort Gate Park」とし、遊歩道やテラス、潤いが感じられる緑地などを28年までに整備。

 同社は同エリアの隣接地に大規模ホテルの建設も計画している。今後の一体的なエリア開発に期待が高まる。

此花西部臨港緑地エリア水辺賑わいづくり協議会提供

  大阪市は、同区の常吉西臨港緑地において、にぎわいづくりなどを行う事業者にbiid(ビード)(神奈川県藤沢市)を認定した。同社は「目的地にも立ち寄り地にもなれるキャンプ場」という事業コンセプトを基に、オートキャンプ場をはじめとした施設が楽しめる「アクティビティゾーン」と地域のにぎわいとなるような「イベントゾーン」を展開予定。臨港緑地としての機能や利用者の利便性を高める駐車場の整備、飲食・物販などのサービス機能を充実させ、市民が大阪湾の魅力を体験できる場づくりを目指す。

大阪市提供