難波宮跡を整備へ 芝生広場やレストラン、カフェも


▲北部・南部ブロック全体イメージパース=NTT都市開発提供

 未整備だった「難波宮跡(なにわのみやあと)」の一部と「難波宮跡公園(北部ブロック)」(2・3へクタール)の整備・運営事業者が決まり、2023年春には南部ブロックの運営を開始し、続いて北部ブロックの工事を2024年度中に終え、「大阪・関西万博」開催時には多くの観光客にも利用できるように完工できる見込みだ。

 8月4日の記者会見で松井一郎市長が発表した。決定した事業者は、「エヌ・ティ・ティ都市開発」など3社からなる難波宮跡公園「みんなのにわ」プロジェクト。

 難波宮跡は、大阪市中央区法円坂を中心に所在する古代の宮殿遺跡。飛鳥から奈良時代の大阪に都が置かれたことを現在に伝える。宮殿遺跡は1964年に、天皇が重要な政務・儀式を行う大極殿院を中心にした範囲が史跡に指定された。

 大阪市と大阪府では、国史跡「難波宮跡附法円坂遺跡」の保存活用を図り、未来へと継承するとともに、2050年の難波宮遷都1400年に向け、魅力あふれる難波宮跡公園とするため「史跡難波宮跡附法円坂遺跡整備基本計画」を策定した。


▲北西鳥瞰(かん)イメージパース=NTT都市開発提供

 対象エリアは「難波宮跡公園(北部ブロック)」(2・3へクタール)と「難波宮跡(南部ブロック)」(11・7へクタール)。特にこれまで一般開放されていなかった北部は、新たに後期内裏正殿などの遺構表示を施す芝生広場や、駐車場を完備したレストラン、カフェなど4つの飲食店を整備する。


▲鳥瞰(かん)イメージパース(夜景)=NTT都市開発提供

 南部ブロックは史跡のガイドツアーや、伝統芸能特別講演、敷地の広さを生かしたフードフェスなどのイベントも予定している。


▲店舗前広場のイメージパース=NTT都市開発提供

 松井市長は、「万博に来られる多くの方が、北側に隣接する大阪城公園も含めた歴史豊かなエリアに訪れてもらえるよう、市としても事業者と連携し、魅力を国内外に積極的に発信していく。万博後も難波宮跡遷都1400年に向け、持続的に魅力向上を図れるように取り組んでいきたい」と話した。