上方落語家、月亭八方(76)が昨年芸歴55周年記念として実施した「八方の楽屋ばなし」を今年も開催することになり、進行役として5公演全てに出演する長男の落語家、八光(47)とともに意気込みを語った。今年は毎回交代で、昭和の上方笑芸界を知るベテラン芸人に加え、平成後半デビューの中堅芸人も加わりツッコミ役に徹してイベントを盛り上げる。
昨年は近畿2府4県を回ったが、今年は8月31日の神戸・新開地喜楽館(ゲスト・大平サブロー、ネイビーズアフロ)を最初に、月1回のペースで和歌山、愛知、石川を回り、最後は12月21日に昨年と同じ大阪・淀屋橋の朝日生命ホールで打ち上げる。
八方は「先日もフワちゃんのSNSによる謹慎騒ぎがあったでしょ。だから私は自分が見た〝吉本の昭和の芸人〟の行状を生でしゃべって紹介するつもり。その頃の芸人さんの7割は亡くなってはりますからね、生き残っている方にも恥かかさんように気ぃ付けながら」と前置きし、「ちょうど高度経済成長からバブル経済が弾けるまでと吉本興業の大躍進は時期が重なってる。私はその頃のすごい芸人さんのお尻に付いていっただけ、〝乗っかり八方〟ですわ。当時でもソラすごかったけど、今聴いたら想像絶するような生き様をぜひ後世に伝えたい。それが残ったモンの務めでしょ」と意義を強調。
八光は「今年は僕がずっと付いて回るので、コンプライアンスに引っかからんように横でうまくやります」と早くも火消し役に。この日は9月16日開催の和歌山会場(県民文化会館)へ、ベテラン「ザ・ぼんち」とともにゲスト出演するお笑いコンビ「アキナ」が同席。山名(44)は「八方師匠と先日ロケで一緒やったんです。当時の楽屋の様子聴いて鼻血出そうになりました」と話し、相方の秋山(41)も「僕は止める気ないですよ、止めるふりだけしますから」と涼しい顔。
写真撮影に応じながら八方は「僕は関西以外で知られるような芸人やない。先日、JR大阪環状線の電車の中で20歳ぐらいの女性からフツーに席を譲られた。回りの誰も〝噺家八方〟と気付かへんのです、その程度やから。名古屋でお客さん誰も来ぃひんかったら、ホンマに楽屋で身内だけで話ししょうかな?」と苦笑する一幕も。
(畑山博史)