天満天神繁昌亭で〝受賞記念ウィーク〟公演 3月25日から

 上方落語協会の笑福亭仁智会長(71)は大阪・南森の協会常設寄席「天満天神繁昌亭」で3~5月に開催の〝受賞記念ウィーク〟公演について受賞者と共に記者会見した。

ガッツポーズを求められ「僕はタイプじゃない」とやんわり拒否の吉坊(中央)

 同席したのは出演順に▽3月25~31日の昼席中トリ、繁昌亭大賞新人賞・桂米輝(39)=師匠・桂米団治、14年目▽4月22~28日の昼席トリ、NHK新人落語大賞・桂慶治朗(39)=師匠・桂米団治、13年目▽5月6~12日の昼席トリ、繁昌亭大賞・桂吉坊(42)=師匠・桂吉朝、26年目▽5月27~6月2日の昼席トリ、繁昌亭大賞奨励賞・桂福丸(45)=師匠・桂福団治、18年目の4人。

 仁智会長に「しっとり、しなやか」と紹介された吉坊は、上方伝統芸能通として知られる。「繁昌亭大賞奨励賞を頂いた時にも、多くの諸先輩に出て頂きました。今回も前を先輩が務めて頂くので戦々恐々。鳴り物が入る芝居噺が好きなんですが、普段やりそうもないネタをやってみたい」と意欲。

 会長に「キレキレ、シャープ」と紹介された福丸は京大法学部卒業後NSC(吉本総合芸能学院)を出た異色の存在。「彦八まつり(5月18、19日)の翌週で出演者がすごい顔ぶれで、1日だけでも1週間全部見ても面白い。最後に出て行ってお客さんに満足して頂ける女性の出る噺を」と緊張気味。

 会長に「ピカピカ、キラキラ」と紹介された米輝は関西大出身で上方落語若手噺家グランプリ優勝の早咲き組。「僕が中トリで、師匠(米団治)が6日間トリを取って下さいます。寄席は開口一番からトリまでが一つの商品。僕は創作も含めて、落語の面白さを感じて頂きたい」と決意。

 会長から「メキメキ、ハキハキ」と紹介された慶治朗は甲南大を卒業後、不動産会社から脱サラして入門。「本来、トリは前の演者の噺を聞いてその日のネタを選ぶもの。でも僕は普段の繁昌亭ならまだ二つ目。ですから7日間のネタは全部先に決めて出させて貰いました。創作を含めておなじみの噺を多く」と本音。

 各公演では、すべての日に記念口上が行われる。

記者の質問に答える左から、仁智会長、吉坊、慶治朗、福丸、米輝

 今回の4人について仁智会長は「たまたま今年は、桂米朝一門と桂春団治一門になったが、もちろん笑福亭も頑張っています。桂文枝一門や林家一門、露の一門もあります。皆で上方落語を盛り上げたい」とエールを送った。

 また4月6日には、繁昌亭で「能登半島地震・復興支援チャリティー落語会」を開催。あさ席(朝10時、入場料3500円)には、仁智会長はじめ、鶴瓶、文福、都ら。ひる席(午後1時半、同4000円)には前会長の文枝、福団治、八方、春団治ら。全員ノーギャラ出演で、売り上げはすべて支援金として被災地に寄託される。

(畑山博史)