今夏にミナミの新しい〝顔〟として誕生した「センタラグランドホテル大阪」。タイの「センタラホテルズ&リゾーツ」が世界各地の一等地に展開するブランドで、日本へは初進出。難波エリアの中心「なんばパークス」の新拡張エリア「なんばパークスサウス」にオープンして半年弱。現在の様子をうかがった。
微笑みの国、タイのおもてなしを再現
日本人の人気旅行先
タイといえば、日本人が多く訪れる国、旅行ランキングでは常にトップ10の常連だ。アジアの中でも中国や台湾、韓国よりも東南アジアを旅行したい人は多く、実際に現地を訪ねてリピーターになった話をよく耳にする。
タイの料理は東南アジアの中でもトップに入るほどで、味も日本人好み。ナイトマーケットや屋台が並び、街はさながら食のテーマパークで、活気に満ちている。
ただ、長引く円安で日本人の大好きなタイ旅行も気軽ではなくなった。
「センタラで日本にいながらタイ気分を楽しんでほしい。ホテル内のレストランやスパでは、本場の雰囲気を楽しめます」と同ホテルマーケティング部のレイノルズあいさん。
ホテルに入ると、ロビーにフワッと日本とは違う香りが漂う。「なんだか海外の香りがしますね」と声に出す記者。
「そうなんです。オリエンタルな香りのする香料でお迎えしています。ホテルに入った瞬間から異国の雰囲気を味わっていただければ」とレイノルズさん。
現地の文化を再現
ホテルの中を歩いていると、スタッフがにっこりしながら「こんにちは」と声をかけてくれる。タイは治安が良く、「微笑みの国」とも言われ、現地の文化と同様に、ホテルスタッフが温かく微笑みかけてくれる。
ホテルスタッフは全体の2割が外国人で、うち半数がタイ人のスタッフであるため、現地のおもてなしを忠実に再現している。目が合うとニコッと微笑んでくれたり、進んで話しかけてくれたり、日本人の接客とは違った〝温かいおもてなし〟だ。
まるで屋台通り
続いて目に飛び込んできたのは、タイの有名な三輪タクシー「トゥクトゥク」。2階メインロビーにあるオールデイダイニング「スアンブア」の入り口で、ひときわ存在感を放っている。
タイの伝統的な屋台をイメージさせるこのレストランは、本場の味が楽しめるようにタイ人シェフが腕をふるう。ランチタイムにはビュッフェを提供しており、セルフサービスのワゴンには現地の料理がずらりと並ぶ。デザートの種類も豊富なので、カラフルな色彩のケーキに女性は目を奪われるだろう。
座席数は120。開放的でオリエンタルなブースやカラフルなインテリアなど異国情緒にあふれ、確かにタイの屋台に来たような気分になる。
テーマパークのような高級ホテル
「他のフロアにも行ってみましょうか」。レイノルズさんに案内されてエレベーターは一気に最上階の33階へ。ドアが開いた途端、イメージしていたタイの雰囲気とは全く違った世界が広がっていた。
かつての南海ホークス本拠地だった大阪球場をイメージしてデザインされたラウンジスペース「スモーク&スピン」。床から天井まで伸びる大きな窓からは、大阪の街並みがリアルに飛び込んでくる。店内から外に繋がるドアを開くと、国内屈指の高さを誇る地上約130㍍のルーフトップレストラン。「夜になると夜景がすごくきれいなんです」。レイノルズさんの言うとおり、パノラマ夜景を楽しみながらのビストロディナーは格別だろう。
続いて32階に降りると、外国人が好みそうな日本の絵を壁にデザインした「ステーキハウス ウィスキーノヴァ」が。その奥には隠れ家への入り口があり、ドアを開くと、近未来的な室内の「オートマタ」がある。ここではセルフでオリジナルカクテルを作ったり、クラフトビールなどを楽しめるとか。「仕事帰りに気軽に立ち寄ってワイワイ楽しんでもらえたら。貸し切りもできるので、今のシーズンなら忘年会にピッタリですよ」とレイノルズさん。
ホテル内には8つのレストラン、バーがあるが、タイや大阪、日本の和などさまざまな顔を持っており、まるでテーマパークだ。
従来の高級ホテルのイメージとは違った面白さを感じさせる同ホテル。レイノルズさんは「近隣の方にもっと知ってもらい、気軽に利用していただければ」と締め括った。