センタラグランドホテル大阪 中川繁樹 総支配人に聞く レジャーの〝ハブ〟となるホテルに

「地上130㍍から大阪の街を見渡せるレストランは、ホテル最大の魅力」と話す中川総支配人
「地上130㍍から大阪の街を見渡せるレストランは、ホテル最大の魅力」と話す中川総支配人

地元の方にレストラン利用広めたい

─タイを筆頭にアジアで93のホテルを展開され、日本へは初進出です。どのような可能性を感じられたのか。

 「センタラホテルズ&リゾーツ」には6つのホテルブランドあります。中でも500以上の客室、レストラン、バーとスパのあるフル装備の「センタラグランド」を日本へ広めたかったのが基本です。大阪でふさわしい土地を探していたところ、一等地の難波に良いロケーションが見つかり、進出を決めました。
 背景には、タイは親日国であり、日本は観光の人気も高いからです。2027年までに全世界で200ホテルに成長させたい計画があり、日本もキーマーケットとして注目していました。東京や京都、沖縄などでも新しい開発を進めています。

─オープンして半年弱。利用状況はいかがでしょうか。

 7月に開業してから客室の稼働率は約8割と、非常に順調です。レストランやバーも徐々に周辺住民に認知され、年末にかけてお客様も増えてきました。本場タイ式のトリートメントを受けられるスパ・センバリーも、徐々に売り上げを伸ばし、1日最高売上を更新し続けています。
 周辺エリアにある老舗ホテルに比べ、まだまだ認知度不足ですが、新規開業ホテルにしては良い方だと思います。

─利用客の傾向は。

 お客様は日本人が36%で、中でも東京・大阪が6~7割を占めています。外国人は64%で韓国や中国、香港、台湾、タイが多いです。全部で515ある客室のうち、3割がコネクティングルームなので、週末は家族利用が多い。レストランの利用者は、ほとんどが地元や近隣のお客様。ランチには子連れのママ友の集まりやビジネスマンの利用が増えています。

なんばパークスサウスにそびえ立つセンタラグランドホテル大阪
なんばパークスサウスにそびえ立つセンタラグランドホテル大阪

─ホテルに対する利用客の反応はいかがでしょうか?

 口コミサイトでは競合他社に比べ、かなり上位で評価していただいています。英語、韓国語、中国語、タイ語を話せる外国人スタッフが全体の2割を占めており、うち半数はタイ人のスタッフです。このため、訪日外国人旅行客が安心して利用できるのだと思います。
 特にタイ人のスタッフは「微笑みの国、タイ」と言われるように、お客様にニコッと微笑んだり、お声がけをしたり、温かみのあるおもてなしの精神があります。お客様から「対応が良かった」とスタッフを名指しでお声をいただくことが多々あり、とてもうれしく思っています。

─なんばエリアにどのような印象を持たれたか。

 とても可能性を秘めていると思います。梅田はビジネスやショッピングが中心ですが、難波は飲食店が多く、ストリートフードも多く歩いていて楽しい街。関西空港から一本で来られるし、道頓堀など大阪らしいコンテンツがそろっている。難波を基点にUSJや京都、神戸などへも日帰りで行けます。ホテルとしてはレジャーの〝ハブ〟になることを考えています。

─大阪は31年春に「なにわ筋線」が開業し、関西空港から梅田のアクセスが便利になる。ミナミが通過地域にならないよう、南海電鉄を中心に魅力を高めているが、ホテルとしてもまちづくりに関
わっていかれるのか。

 当ホテルはもともと南海電鉄の開発の一つで、難波エリアのランドマークである「なんばパークス」の新拡張エリアに開業しました。
 今まではショッピングや飲食店、映画鑑賞がメインでしたが、宿泊が加わることでこのエリアのコンテンツが強力になったと思います。今後も「なんばパークス」などと協力してエリアの魅力を高めていきたいと思っています。