米ホテル大手、ヒルトンの日本初進出ブランド「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」がこのほど、グラングリーン大阪の北館に開業した。今年は5月に「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」、9月に「ヒルトン京都」も開業し、来春には最上位ブランド「ウォルドーフ・アストリア大阪」がオープンを控えているなど、ヒルトンが関西で事業を急拡大している。
タコ焼きに千成瓢箪 〝大阪らしさ〟随所に
「キャノピー─」はJR大阪駅北側約4万5千平方㍍の大規模開発、うめきた2期地区の北側に建設された「グラングリーン大阪」ノースタワー(26階建て)の1階と10~25階部分に位置する。
32平方㍍のスタンドルームや63平方㍍のコーナースイートルーム、95平方㍍と127平方㍍のスイートルームの全308の客室があり、愛犬と一緒に宿泊できるペットフレンドリールームも備える。
客室は、水都大阪を表現した「リバーブルー」またはグラングリーン大阪の緑を表す「うめきたグリーン」を基調とした色合い。キャノピー(天蓋)には豊臣秀吉の馬印「千成瓢箪」といったデザインを採用。全室にパナソニック製の第一号機をデザインした冷蔵庫を設けている。また、関西を起源とする縁起物の福助人形など、大阪の歴史や産業の発展も感じることができる遊び心あふれる空間に仕上がっている。
黒門市場のアーケードをイメージした天井が印象的なオールデイダイニング「シーシー カーボンコピー」は、日本の小皿スタイルで世界各国の料理を提供。バー&ラウンジ「ジャジャバー」ではひとくち餃子の「点心」とコラボした大阪のローカルフードやオリジナルカクテルを用意。大阪の街並みを一望できる屋外テラスでは水景も楽しめる。
また、カフェ「ビーン ゼア うめだ」では自家焙煎の豆を使ったコーヒーやサンドイッチなどが楽しめる。ペットを同伴できるテラスもあり、愛犬との宿泊中にも利用可能。
「うめきたエリアの新しく開発された土地、街の再生化というところがキャノピーブランドとマッチしている。キャノピーに来て今まであった大阪をさらに新しい観点から再発見し、また新しいものが生まれる場所だと感じている」とヒルトン アジア太平洋地域 ライフスタイル担当 上席統括本部長のアンドリュー・リンさんは話した。
キャノピーby ヒルトン大阪梅田
スリジャン・ヴァデラ総支配人に聞く
─大阪キタエリアにどのような印象を持ったか。
私は日本が好きで、大阪が特に大好き。カラフルでコメディやファッションがどれも明るく、文化の深さを感じる。JR大阪駅付近のキタエリアは大阪の中心地。世界最大規模の都市公園があり、水辺やレストラン、温浴施設、オフィスなど必要なものがすべてそろっている。
その上、奈良や神戸、京都へ1日で行けると考えると本当に良いロケーションだと思う。
─総支配人の経歴は。
ホスピタリティ業界に25年以上いる。料飲部門の研修生としてキャリアをスタートし、さまざまな主要ホテル・チェーンでウェイター、バーテンダーや営業職などを経験した。初めての総支配人は2016年インドのラグジュアリーホテル。ヒルトンには19年に入社し、インドのベンガルールにある「コンラッド・ベンガルール」の総支配人に着任した。同国では功績をあげた総支配人を表彰する「ラグジュアリーGMオブ・ザ・イヤー」など数々の賞も受賞。画期的なアイデアや力強いリーダーシップでマーケットシェアを拡大し稼働率を大幅に向上。ホテルの成長に貢献してきた。
─キャノピーbyヒルトン大阪梅田の強みは。
まず、デザインが本当に特徴的でユニークだ。関西や大阪の文化を感じたい人には最適な場所だと思う。
ホテルに入るとタコ焼き器の形をした天井があったり、シーソーがあったり。その後ろにある緑は本物の廃材などで植物を作っている。
スイートルームは、淀川の花火大会がベストビューだ。16階より上の部屋では、低空で打ち上がる花火も見られる。目の前で上がる花火は本当に迫力満点で楽しめる。
エントランスに足を踏み入れた瞬間から大阪の町の活気を感じられ、ユニークな文化を持つ大阪の魅力を感じてもらえるはず。ローカルな文化を感じることができるホテルステイを楽しんでもらえるサービスや空間を提供していきたい。