大阪府は、大阪市住之江区の咲洲庁舎(旧WTCビル、現さきしまコスモタワー)の7~17階の11フロアについて、ホテル事業者の再募集を開始した。府有資産の有効活用と安定した運営体制の構築を図るもので、募集期間は5月16日から7月7日まで。なお、現地説明会の実施は既に終了しており、参加が応募の必須条件とされていた。

同庁舎では、2019年に開業したホテルが賃料を滞納し、契約解除後に訴訟へ発展。23年6月に大阪高裁が明け渡しと約26億円の支払いを命じ、24年10月31日に閉館した。滞納額は約43億円に上り、府は25年5月時点で約16億7000万円を回収済み。4月には大阪地裁が破産手続き開始を決定し、現在も破産管財人を通じた債権回収が続いている。
再公募では、外部有識者による選定委員会を設け、応募価格に加え、資金計画や運営実績などを総合的に評価。契約も強制執行認諾文言付きの公正証書に変更された。賃料は坪当たり月額6430円(平方㍍あたり約2万1257円)、貸付期間は10年以上15年以内。24年の市場調査では7社の需要が確認された。
吉村知事は「資産を有効活用し、安定的な運営を重視する」と述べた。