大阪・ビジネス街で創業30年の小さなクレープ屋。激動の昭和・平成を乗り越える事ができたワケ

ピンクと赤のポップな店内で笑顔が輝く、オーナーの大喜田満江さん

 大阪屈指のビジネス街堺筋本町駅近くで開業30周年を迎える「ロリアン」は、もっちり生地と優しい甘さが懐かしいクレープの専門店。クレープ以外にもメニューが豊富で、4種類の焼きそばと自家製カレーライスが味わえる。クレープ専用鉄板のほかにもう一枚違う料理に鉄板を用意。オーナーの満江さんがワンオペで焼きたてを提供している。同店のモットーは「店の都合で休まない」ことだ。

 1995年の阪神大震災の朝は「えらいことに、なっとる」と街の惨状に震えながらバイクで走り抜け店を開けたという。コロナ禍では夜営業や酒類の販売はしていなかったので自粛要請もなく営業することができたが客足は遠のいていた。
 一方で、コロナ禍以前から、出前館などのフードデリバリー会社から声をかけられ、デリバリーにも販路を拡大した。当時は「スイーツの配達ってどうなん」という不安があったが、一時、売上の上位店になったこともあった。この縁で五つ星ホテルのパーティーに招かれたが、「店の都合で休むわけにはいかない」というポリシーのもと、代理で友人に出席してもらったという。満江さんはいつも変わらず店を開けてクレープを焼いている。

 30周年を機に「好きなピンク色」で内装リニューアルを考えているという。満江さんは「お仕事で近くにお寄りの際には無休ですのでどうぞお越しください」と明るい笑顔で微笑んでいた。

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イチゴミルクとミックスジュース
外観

■ロリアン/大阪市中央区北久宝寺町1-7-4/電話06(6261)0510