小学校受験を通じて育てる〝生きる力〟 くま教育センターの幼児教育

子どもの「自立する力」を育む準備とは

自然学習の一環として実施されている「稲刈り体験」に勤しむ子どもたち

 子どもの将来を思えばこそ、少しでも良い環境を用意してあげたい。小学校受験を考える保護者の思いも、そんな願いから始まるのではないだろうか。一方で、受験対策というと、ペーパーテストの練習や知識の習得に目が向きがちだ。しかし、幼児期に身に付けたい力は、それだけではない。自分のことは自分でする、人の話を聞く、自分の考えを伝える。そうした日々の積み重ねが、子どもの成長を支える土台になる。(西村由起子)

写真左が城謙介さん、右が松下潤子さん

 幼児教育に50年以上携わってきた、くま教育センター(大阪市中央区)が重視するのも、日常生活を通して育む〝自立する力〟だ。幼児部受験主任の城謙介さんは、知識を詰め込むだけでなく、生活習慣を身に付け、自分で考え、行動する力を育むことが大切だと話す。

 例えば、片付けや身支度。大人が手を貸せば早く済むことでも、子ども自身に任せると、時間がかかったり、うまくできなかったりする。忙しい毎日の中では、つい先回りして手を出したくなるものだ。しかし、できないからといって大人が代わりにやってしまうのではなく、できるようになるまで見守り、支えることが大切だ。自分で試行錯誤し、できるようになった経験が、子どもの自信につながっていく。

 同センターでは、教室での学習に加え、自然学習や合宿など、日常とは異なる環境での体験も大切にしている。例えば稲刈り。動画視聴で作業の手順を知ることはできても、実際に田んぼに入り、自分の手で稲を刈る経験とでは子どもへの影響は異なる。手間や苦労を知ることで、普段食べている米への見方も変わる。

 同センター本町教室の幼児部教務主任、松下潤子さんは、友だちと長い時間を過ごす中で、意見がぶつかったり、思い通りにならなかったりすることもあると説明する。そうした場面で、どうすればよいかを考え、相手と折り合いを付けることも学びの一つだ。効率よく正解を得るだけでは身に付かない力が、体験を通して育まれていく。

 もちろん、小学校受験は合格を目指すものだ。しかし、合否だけを成果と捉えてしまうと、準備期間に得られるものを見落としかねない。城さんは、不合格になったからといって、子ども自身や親子での頑張りが否定されるわけではないと話す。受験に向けて親子で取り組み、自分でできることを増やし、さまざまな経験を重ねたことは大きい。

 学校選びにも、同じ視点が求められる。知名度や評判だけで判断するのではなく、実際に学校へ足を運び、教育方針や先生の考えに触れること。わが子にとって、どのような環境が成長につながるのかを、保護者自身が考えることが大切だという。

 同センターが大切にしているのは、子どもが自分で考え、行動する力を育むことだ。小学校受験は、合格するためだけの準備なのか。それとも、自分で考え、行動し、人と関わりながら生きていく力を育む機会にもなり得るのか。合格の先を見据え、子どもが自らの力で歩んでいけるよう支えることも、受験準備の大切な役割といえそうだ。

■くま教育センター 本町教室/大阪市中央区本町3−3−15/電話06(4704)0355

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