【桜和高校】「伝える」から「伝わる」へ<大阪府立高校長インタビュー vol.3>

 少子化や授業料無償の影響で、私立人気が高まる大阪。一方、独自の取り組みや学科、コースなどの特色化で魅力を高める府立高。各校の魅力に迫る。

桜和高校(大阪市北区)田中 愛子校長

「生徒たちが『やってみたい』という思いを実現できる学校にしたい」と話す田中校長

 南高校、西高校、扇町総合高校の統合で、2022年に開校した大阪府立桜和高校(大阪市北区)。府立高で唯一、教育文理学科を設置する同校は、「教育探究」を軸に、コミュニケーション力を育む学びを大切にしている。田中愛子校長に話を聞いた。(竹居真樹)

 ─南、西、扇町総合の3高校を統合して開校し、今年で5年目を迎えた。学校の特色は

 府内の公立高校で唯一の教育文理学科を設置しており、2年から教職教育、国際文化、理数情報の3コースに分かれる。
 一番の特色は対話を重視した教育活動だ。コミュニケーションが得意な生徒だけでなく、苦手だが人と関わりたい、力をつけたい生徒にも桜和への進学を勧めたい。

 ─授業でどのように対話を取り入れているのか

 全学年で取り組む「教育探究」だけでなく、国語や数学などでも対話を生む探究的な学びを取り入れている。
 例えば、自分で問題を解き、分からなければ隣の生徒と話し合う。教員の解説も聞きながら、自分がどこまで理解し、何が分からないのかを確かめ、次の問題に挑む。
 ペアの組み方も工夫し、普段仲の良い生徒以外とも話す機会をつくる。さまざまな相手と関わることで、どう話しかけ、どう伝えればよいのかをつかんでいける。安心して発言できる場があるので、教員の問いにも生徒から自然に声が上がるようになる。

日々の対話で育むコミュニケーション力

 ─生徒の成長を感じる場面は

 3年生に「この学校でどんな力がついたか」と聞くと、多くが「コミュニケーション力」を挙げる。発表を繰り返しているため、プレゼンテーションにも自信を持っている。
 大切にしているのは「伝える」ことだけでなく、相手に「伝わったか」をちゃんと意識すること。卒業生からも、大学のグループワークでリーダーになることが多いと聞く。桜和で当たり前だった経験が、外に出て自分の強みだと気づくのだろう。

 ─地域で学ぶ機会も多い

 教職教育コースの生徒はもちろん、国際文化コースの3年生も、小学生に英語を教える「Teaching Skills」という授業がある。近隣の小学校の協力を得て年2回の実習があり、今年度は北区の堀川小の4年、滝川小の4、6年が対象。各校に高校生20~25人を受け入れてもらい、4〜6人一組で約20分の短い授業を行う。
 単語カードやプリントを手作りし、児童が楽しく参加できるようにインタビューマイクや「私が主役」と書いた「たすき」などの小道具を用意しているグループも。どうしたら子どもたちに興味を持ってもらえるかを生徒自身で考え、工夫する機会になっている。

 ─教員志望の生徒のための学校なのか

 そうとは限らない。教育は裾野が広いため、企業や行政など、さまざまな立場から教育に関わることができる。桜和の学びや体験を通じて、自分はどう生きたいかを考えてほしい。

 ─学校づくりで大切にしていることは

 「ワクワク」だ。新しいことに挑む楽しさや自分に力がついたと感じる喜びが原動力になる。生徒たちが「やってみたい」という思いを実現できる学校にしたい。
 桜和の3年間で志を持ち、自分の意思で動き、誰かのために寄り添える人に育ってほしい。「伝わる」コミュニケーション力を発揮し、教育で社会を動かす人となることを信じている。

■大阪府立桜和高校 大阪市北区松ヶ枝町1─38/電話06(6351)0036

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