都構想の焦点、区名と副首都へ 維新主導の議論に他党は警戒感

 来春の住民投票を見据える「大阪都構想」の制度設計が、より複雑な政治的フェーズへと突入している。8月上旬に特別区の区割りを「4区」とする案が正式決定されたことを通過点とし、議論の焦点は新設区への「大阪市」名称存続の可否や、堺市を巻き込んだ副首都推進など次なる次元の協議へ移行した。改革の旗印と有権者のアイデンティティをいかに両立させるか。年内の制度案取りまとめに向け、各陣営の神経戦が幕を開けた。

「大阪市」存続案、感情に配慮 制度案の最適解模索へ本格化

 区割りの「4区案」決定を経て、議論の号砲が鳴り直した大阪都構想。制度設計の行方を左右する最大の論点として浮上しているのが、新設される特別区の名称問題だ。
 日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は中旬の会見で過去の住民投票否決を分析。「『大阪市』という名前が消えてしまうのが寂しい、嫌だ」との声に触れ、「市民の愛着は非常に強い」と指摘した。その上で、激変緩和措置として法的に可能なら「大阪市〇〇区」とするなど、名称維持も選択肢になるとの認識を示している。自身のYouTube配信で実施した視聴者アンケートでは、同案に60%の賛同が寄せられたという。
 一方、決定に至る経緯に当初から4区案ありきだったのではと疑問視する見方が広がるなど、秋の議会に向けた他党の牽制も強まっている。
 さらに吉村代表は、都構想の枠組みにとどまらず、副首都推進法を巡る堺市との連携協約にも意欲を見せる。政令指定都市と道府県で分断された消防や水道などの広域インフラを一体化し、法制・財政上の特例措置を目指す構えだ。
 市民感情のケアと都市インフラの合理化をいかに両立させるのか。来春の住民投票を視野に、最適解を模索するプロセスはさらに熱を帯びていく。

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