大阪への訪日客が伸び悩む中、観光局は消費額の高い欧米豪や国内客の誘致を強化する。猛暑を逆手に取り、地下街などを活用する「クール大阪」も始動。快適な夏の観光をアピールする。

中国客減の大阪 欧米豪と国内旅行に活路
猛暑対策「クール大阪」も始動

大阪観光局は、2026年1~6月に大阪を訪れた外国人旅行者が、前年同期比92.3%にとどまったとの推計を明らかにした。全国の98.0%を下回り、特に中国市場の落ち込みが大きく響いた。中国からの訪日客は同36.7%で、全国の43.6%、東京の47.3%より低い水準となった。
一方、韓国や台湾、香港、東南アジア、欧米からの旅行者は比較的高い水準を維持している。関西の百貨店の免税売上高も4月が前年同月比17.2%増、5月が14.1%増、6月が27.3%増と伸びた。同局は今後、米国や英国、オーストラリア、フランス、スペインなど、旅行中の消費額が高い市場への誘客を強化する。富裕層向け商談会も活用し、旅行者数だけでなく観光消費額の確保を目指す。
国内旅行にも力を入れる。国内在住者約4000人を対象にした調査では、大阪は「行きたい旅行先」で東京、北海道に次ぐ3位だった。若者や家族、友人との旅行先として評価される一方、歴史や自然、静けさを求める40歳以上の層への訴求が課題という。回答者の79.4%が観光地の混雑などを懸念しており、市内に集中する旅行者を府内各地や関西へ分散させる必要性も浮かんだ。
猛暑と物価高で夏の外出を控える動きに対しては、新たに「クール大阪」を始めた。地下街や鉄道、商店街、美術館、水族館、夜間イベントなど、涼しく楽しめる場所や催しを専用サイトで発信する。現在約200件の情報を掲載しており、400~500件への拡大と10万ページビューを目標にする。
「同局は熱中症対策を前提に、外出を観光消費だけでなく、高齢者の介護予防や子どもの健全育成にもつなげたい。大阪の発達した地下空間などを生かし、『暑いから外出を控える』のではなく、涼しく安全に夏を楽しめる都市として国内外へ発信していく」と同局の溝畑理事長は話した。(竹居真樹)

