
傘のシェアリングサービス「アイカサ」を展開するネイチャーイノベーショングループは、鉄道各社や自治体と連携し、関西エリアで晴雨兼用の日傘シェアリングを本格展開している。駅や商業施設を中心に設置を広げ、暑熱対策と使い捨て傘の削減を目指す。
アイカサは、突発的な雨の際にビニール傘を購入せず、最寄りのスポットで傘を借り、雨が止んだ後に別のスポットで返却できるシェアリングサービス。これまでは雨傘を中心に展開してきたが、猛暑日の増加を受け、晴れの日にも利用できる日傘を導入した。
関西エリアでは現在、大阪、京都、奈良、兵庫の約270駅、約380カ所のスポットに設置。日傘は雨傘と同じ料金で利用でき、1時間以内140円、3時間以内160円のほか、月額280円のサブスクリプションプランも利用できる。

発表会には関西の鉄道7社が参加し、各社は暑熱対策や環境負荷の低減につながる取り組みとして期待を寄せた。阪急電鉄の担当者は、同電鉄のスポットを利用しているID登録者が約3400人余りに広がり、そのうち約3割が2回以上利用していると説明。「猛暑の日でも突然の豪雨でも安心して街に出かけられる。使い捨て文化から脱却していく取り組みは意義深い」と話した。

同じく登壇した大阪府環境農林水産部 橋田学副理事によると、大阪の平均気温は100年間で約2・1度上昇し、全国平均を上回るペースで暑さが進んでいる。府内の熱中症救急搬送者数も増加傾向にあり、府は民間施設を一時的な涼みどころとして活用する「大阪クールオアシスプロジェクト」などを推進している。橋田学副理事は「駅を中心に設置されることで、街中を歩く際に日傘を使い、暑くなれば涼しい場所で休むという行動につながる」と期待を寄せた。
ネイチャーイノベーショングループの丸川照司代表は「使い捨て傘を減らすだけでなく、命を守る可能性のある取り組みだと考えている。雨の日だけでなく晴れの日も支えるインフラとして、日傘の利用を広げていきたい」と話した。 (文=西山美沙希)

