塩野義製薬(大阪市北区)はこのほど、企業が有望な新興企業に投資する仕組み「コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)」を通じて、生殖補助医療技術を開発する「Dioseve」(東京都江東区)に出資したと発表した。
Dioseveは、さまざまな細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、卵子や卵巣の細胞を作り出す独自技術の研究開発を進めるスタートアップ企業。将来的には、体外受精などの不妊治療をはじめ、子どもを望む人を支援する新たな医療技術への応用が期待されている。
近年、体外受精などの生殖補助医療を利用する人は増加している一方、治療の選択肢拡大や成功率向上は大きな課題となっている。Dioseveの技術は、こうした分野の発展につながる可能性があるとして注目を集めている。
塩野義製薬は2025年4月、将来の成長分野への投資を目的にCVCを設立した。医薬品にとどまらず、医療関連技術や社会インフラなど幅広い分野を対象に、革新的な技術や事業アイデアを持つスタートアップ企業との連携を進めている。
同社は、研究開発や事業運営で培った知見やネットワークを生かし、投資先企業を支援することで新たな価値創出と社会課題の解決を目指す方針。CVCの投資予算は年間最大20億円で、日本のほか米国、欧州、アジアの企業も対象としている。
Dioseveは2021年設立。iPS細胞由来の卵母細胞や卵巣体細胞を活用した生殖補助医療技術の研究開発に取り組んでいる。
