現場知見とAIで「外販500億円」へ パナソニック デジタル、統合後初の経営方針発表

 パナソニックグループのIT事業を担う新会社「パナソニック デジタル」は3日、2026年度の経営方針について合同取材に応じた。4月1日にグループ内IT会社3社を統合し発足。国内IT人材の約85%にあたる約2200人を集約した。グループ全体の経営効率化と、外販事業の拡大を目指す。

パナソニック デジタルの2026年度経営方針について説明する豊田彰朗取締役(左)と阿部裕社長執行役員=3日、大阪市内

 同社が掲げる柱の一つが「AI Everyday」だ。阿部裕社長執行役員は、これまでの生成AI活用について「翻訳や要約など〝文房具〟的な使い方にとどまっていた」と指摘。今後は、特定業務を自律的に遂行する「エージェント型AI」の導入を進める方針を示した。

 コールセンター業務の一部自動化に加え、経理や監査といった専門性の高い共通業務への活用も検討する。「人間とAIエージェントがチームを組む姿を目指す」とし、業務プロセスそのものの再構築に取り組む考えを強調した。

 2030年には、外販売上500億円(現状約300億円)、利益率10%(同約5%)を目標に掲げる。強みとするのは、長年の製造業支援で培った「現場の業務ノウハウ」と「IT構築力」の融合だ。

 重点領域には、ERP(統合基幹業務システム)/CRM(顧客管理システム)、製造DX、ICTセキュリティ、教育・施設ソリューション、業務DXの5分野を設定。特に製造DXでは、製造実行システム(MES)の強みを生かし、製薬業界向け展開へも進める。また、ICTセキュリティ分野では、中堅企業向けに運用保守を一括で請け負うサービスを展開している。

 統合効果も現れ始めている。監視カメラ管理システムと生成AI監視ソリューションを組み合わせ、振り込め詐欺防止など高度な異常検知サービスを開発。さらに、システム提案から設置工事まで一貫対応する「All in One」体制も構築した。

 豊田彰朗取締役は「事業ポートフォリオとITポートフォリオを同期させ、経営スピードを高めたい」と述べ、AI活用による〝軽くて速いIT〟への転換を進める姿勢を示した。

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