アフタースクール「KIDS FAMILY」代表 中野 拓真 さん

本紙エリア編集長であり「もりぐち夢・みらい大使」を務めるUKこと楠雄二朗は、この地域の最大の魅力は〝人〟だと語る。京阪エリアで活躍する人々に迫る「みらいびと」。今回は、守口市でアフタースクール(民間学童保育)「KIDS FAMILY」を運営する中野拓真さん。元警察官である中野さんが、なぜ子どもの教育の世界へ飛び込んだ理由とは。相撲やマネースクール、漫才教室といった多彩なプログラムで子どもたちの「本物経験」にこだわる、守口の民間学童を訪ねた。(聞き手=UK、文・写真=西山美沙希)

─中野さんは元々、警察官だったんですね
はい、大阪府警で9年間勤めました。
本当は昔から子どもが好きで大学は教育専攻、卒業後は教師を目指していたんですが、府警の先輩の勧めがあって。「子どもと関わることもあるだろう」と考え、試験を受け、そのまま警察官になりました。
警察にいる間も未成年指導を担当することが多かったです。やんちゃそうに見える少年たちも、ちゃんと向き合って話せば分かってくれる子がほとんど。そんな経験が積み重なっていく中、我が子が生まれたことをきっかけに、「もっと子どもへ関わる仕事をしたい」と考えるようになっていきました。
─それで開業したのがこのアフタースクールですね
当時、守口にはこういう民間の学童施設がほとんどなかったんです。ママ友からも「こういうの欲しい」という声を聞いていて、需要はあると思っていました。
ただ、転職しようとしていたのがコロナ禍の真っ最中で、上司には「今の時代に何を考えているんだ」と言われましたね。でも、だからこそやってやろうという気持ちになれた。決めつけられると、逆に燃えるタイプなんです。おかげさまで今年9月で開業6年目に入ります。
─プログラムが非常にユニークだ
「本物に触れる」ことにこだわっています。例えば僕は小学校から大学までずっと相撲をやっていたこともあり、力士の知り合いがたくさんいます。先日も現役力士に来ていただき、子どもたちと触れ合ってもらいました。身長196㌢、体重254㌔グラムの力士に、子どもたちは目が釘付け。一生忘れない経験になったのではないかと思います。
ほかにも、キッチンカーを呼んでクレープを作ったり、母校の大学に遠足に連れて行って学食を貸し切ってみたり。この経験が、将来について考えたり、やりたいことを見つけるきっかけになれば嬉しいです。
─元警察官ならではの防犯教室も好評だとか
はい。学校で習うようなマニュアル的な話じゃなくて、実際に警察として現場で見てきた事件・事故をもとに話すから、子どもたちも自分ごととして真剣に聞いてくれます。
─「元警察官の運営」なら、保護者の安心感にもつながりそうだ。今後どんな場所にしていきたいですか
子どもたちが卒業してからも帰ってこれる「ふるさと」にしたいですね。卒業時には「困ったことがあったら連絡しておいで」とみんなとLINE交換するのが習慣になっていて、卒業しても切れない関係が続いています。今年は最初に卒業した子が高校生になる年で、4月からは指導者として月に数回関わってもらう予定の子もいます。20歳になったら一緒に飲みにいくのが夢です。
─最後に一言お願いします
「決めつけないで、まずやってみる」。それがうちのスタンスです。言葉を聞いただけですぐ「無理」って言う子ほど、やってみたら一番楽しんでいるんですよ。そういう瞬間を引き出すのが、一番楽しいですね。

