履正社高等学校(豊中市)は2027年度春、国際社会で通用する人材の育成を目的に、新たに「国際教養コース」を設ける。全員必修のカナダ留学と英語重視のカリキュラムを柱に、海外大学や国内の英語特化型大学、難関私立大学への進学を見据えた教育を展開する。

同コースの最大の特徴は、全生徒が留学を経験する点にある。1カ月の短期留学(カナダ西海岸)か、1年間の長期留学(同東海岸)のいずれかを選択し、入学後に準備状況や適性を踏まえて最終決定する。現地での生活や学習経験を通じ、英語を実際に使う力と異文化理解力を養う。
カナダを留学先に選んだ理由については、治安面を最優先としたほか、多様な文化的背景を持つ人々が共生する社会である点や、留学生の受け入れ体制が整っている点を挙げる。また、「できるだけ中立的な英語に慣れてほしい」との語学面の配慮もある。
指導には、留学支援や海外大学進学に精通した教員・スタッフがあたり、定期的な面談を通じて個々の目標に応じた学習計画を作成。進路実現まで一貫して支援する。
カリキュラムは3年間を通じて段階的に設計。1年次は英語の基礎力を固める〝英語を学ぶ〟段階で、一般的な高校では週6単位程度が標準とされる英語授業を同コースでは週14単位に拡充。ライティングを通じた思考力の育成にも力を入れる。2年次は留学を軸に〝英語を使う〟実践段階、3年次は大学進学後を見据え、アカデミックな内容を含め、〝英語で学ぶ〟段階へと移行する。

AI(人工知能)時代における語学教育の意義については、「AIによって言語学習の一部は効率化されるが、最終的に重要なのは人と人とのつながり」とされる。英語教員のショウ・ブライアン氏は「知識や技術はあっても、言語と思考の壁によって、国際的な場での発信が妨げられている日本人は少なくない」と指摘。同コースでは、留学という経験を通じてその壁を取り除き、世界に通用する発信力の育成を目指す。

国際教育顧問には、大学受験の定番書籍である「速読英熟語」(Z会)の著者で、桃山学院中学校高等学校(大阪市)の元校長・岡田賢三氏が就任。今年3月に履正社中学校の台湾研修を成功させるなど、実践的な国際教育の分野で豊富な実績を持つ。
同コースでは、学術大会や海外の大学主催プログラムへの挑戦も視野に入れる。職員の藤原涼氏は、「偏差値が高い生徒だけを伸ばすコースにするつもりはない。一般的な学力水準の生徒が飛躍的に成長できるカリキュラムを追求したい」と語る。
求める生徒像については「偏差値よりも知的好奇心と他者への寛容さを重視する。多様性の中で生き、失敗を糧にして挑戦し続ける自主自立の精神を育てたい」としている。
履正社は来校イベントを開催する。中学校は5月16日、同30日、6月13日で、いずれも午前9時半開始。高等学校は7月26日、8月1日、同8日で、各日とも午前9時半から実施する。
■履正社高等学校/豊中市長興寺南4-3-19/電話06(6864)0456
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