
マイナビ出版(東京)は17日、大阪国際中学校・高等学校(守口市)で、中学生約300人を対象にした特別授業を開いた。文芸評論家の三宅香帆氏を講師に迎え、「言語化の重要性と言語化するための技術」をテーマに講演とワークショップを行った。
本プロジェクトは、中学生の言語化能力向上の支援や、書籍や出版業界への親しみを持ってもらおうとマイナビ出版が主催した。

授業は、言葉にする力を実践的に学ぶ内容で構成された。講演の終盤には、生徒自身がこの1年の体験を振り返り、感じたことを言語化するワークショップも実施。生徒たちは、話を聞くだけでなく、自ら考え、言葉にする体験を通じて理解を深めた。
特別講師として登壇した三宅氏は、著書『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン・刊)などで知られる。冒頭、「読書は、みんなが常識だと思っていることを超えてくる価値観を伝えてくれる行為」と語り、読書感想文を例に挙げながら、読書と発信の関係性を解説した。
三宅氏は、言語化のポイントとして「具体化」と「自分ごと化」を挙げ、「何が良かったのかを分解し、自分の体験と結び付けることで、自分自身を見つめ直すことにつながる」と強調した。

講演後、マイナビ出版の角竹輝紀代表取締役社長執行役員は、「出張授業を通じて、読書の楽しさや言語化の面白さを実感してもらえたら。今後も若い世代に向け、言葉を扱うことの魅力を発信していきたい」と話した。
同社は書籍出版にとどまらず、学びを実践できる体験や交流の場づくりにも力を入れている。大阪国際中学校・高等学校での出張授業は今回で2回目となり、今後も教育現場との連携を広げていく考えだ。
